第1話『めぐちゃんせんぱい、るりちゃんせんぱい』
PART 12
姫芽 | そそそそそそちゃでごじゃります。 |
瑠璃乃 | あ、いや、ほんとお構いなく。 だいじょぶだいじょぶ。 だいじょぶだからね? 落ち着いて? |
姫芽 | め、めぐちゃんとるりちゃんが、あ、アタシの部屋に、部屋に。 |
瑠璃乃 | あ、あはは。 いつも応援ありがとね? |
姫芽 | ひぇ。 |
瑠璃乃 | おっとー、ルリちゃん申し訳なくなってきたぞぅ。 |
慈 | おほん。 るりちゃんまで充電切れになられてもたまらないので、 えっと……ツマヨウ寺ちゃん! |
姫芽 | は、はい! |
慈 | スクールアイドル、やってみたくない? |
姫芽 | えっ!? それはっ……その……えっと。 |
瑠璃乃 | めぐちゃんめぐちゃん、それは単刀ブッコミすぎね? さすがに急に言われてもーー。 |
姫芽 | ど、どこで、アタシがスクールアイドルやりたいって……知ったんですか? |
瑠璃乃 | やりたかったの!? |
慈 | そーなんだっ☆ ごめんごめん、それは知らなかったんだけど。 |
姫芽 | かけられてもないカマカケに引っかかった!? |
瑠璃乃 | あー……良かったら、さ。 どうしてスクールアイドルになりたいの、とか聞いてみたかったり。 |
慈 | そうそう、聞かせて聞かせて? |
姫芽 | ……はい~。 |
姫芽 | ……アタシ、いつも配信してるゲームにめちゃくちゃ恩があるんです。 |
姫芽 | このゲームが、アタシがアタシで居られる理由というか……。 |
姫芽 | ま、まあちょっと色々あって、 恩返しできる手段を探してて。 |
姫芽 | で、その日も大好きなめぐちゃんるりちゃんの配信を見ながら、 |
姫芽 | どうしたらこれ以上、 このゲームのために出来ることがあるかなって思ってたんですけど……。 |
姫芽 | ちょうどその日のめぐちゃんとるりちゃんが、 自分の好きなものを凄く楽しそうに話していて、 |
姫芽 | 聞いているアタシまでそれを好きになってきちゃって……。 |
姫芽 | それで、気が付いたんです。 |
姫芽 | そっか、スクールアイドルだ! って。 |
姫芽 | アタシの大好きなゲームをみんなに伝えるためには、 アタシ自身が魅力的なスクールアイドルになれば良いんだ、って! |
慈 | なるほど、ね。 |
姫芽 | です……けど、その、 ああいや半端な覚悟で出来るもんでもないと分かってはおりまして~! |
瑠璃乃 | だいじょぶだいじょぶ分かってる分かってる。 今日もコメントですごい悩んでたもんね。 |
姫芽 | はい~……あ、いや、その、色々背中を押してくれる人もいたんですけど、 いざ高校入ってみるとちょっと怖くて……。 |
姫芽 | てゆかコメント見られてたんですね~……。 うぁ、とてもはずい、消えてなくなりたい。 |
慈 | ……ねえ、ツマヨウ寺ちゃん。 それ、良かったらみらくらぱーく!でやらない? |
姫芽 | ひぇ。 いや、あの、でも、さすがに。 るりちゃんとめぐちゃんの間には。 |
瑠璃乃 | めぐちゃんとルリはちゃんと話して、メンバー増やすつもりでいるからさ。 |
慈 | ……私、キミの配信見て思ったんだよ。 |
慈 | 私の配信とか、きっと他のスクールアイドルの配信とかも見て、 真剣に勉強してるんだなって。 |
慈 | 広めたいって気持ちは、本物でしょ。 |
姫芽 | それは……はい。 |
瑠璃乃 | だったら、どうかな。 めぐちゃんは、きっとそのための力になってくれるよ。 |
慈 | 一緒にやろうよ、スクールアイドル! |
姫芽 | ……。 もともと蓮ノ空に来たのは……。 間近で一番好きなスクールアイドルを見て、勉強したかったからでした。 |
姫芽 | るりちゃんの言う通り、めぐちゃんの魅力の秘訣を少しでも学びたいと。 |
姫芽 | たとえ、めぐちゃんとるりちゃんの聖域に踏み込んだとしても……。 |
姫芽 | 人を魅了することに世界一優れためぐちゃんのもとで、 勉強させてもらえるなら……。 |
瑠璃乃 | せいいき。 |
姫芽 | お誘いいただけるなら、願ってもないことです。 どうか、よろしくお願いします! |
慈 | よっし!! |
瑠璃乃 | うんうん。 良かった良かった。 |
慈 | これからいっぱい楽しいことやるぞー! |
慈 | あ、そうだ! そうそう、えーっと、ツマヨウ寺ちゃん? |
姫芽 | あ、姫芽です。 安養寺 姫芽です。 |
慈 | 姫芽ちゃん! 手始めに、なんか面白そうだしさ、私にもそのゲーム軽く教えてよ。 |
瑠璃乃 | アッ。 |
姫芽 | えっ……このゲーム、やってくれるんですか!? |
慈 | うん、強くなりたいんだ☆ |
慈 | ちょこちょこっと練習して、 強くて可愛い無敵のスクールアイドルになっちゃおうかなって☆ |
姫芽 | !!?!?!? |
瑠璃乃 | あ、めぐちゃ……流石にツマヨウ寺、 じゃない姫芽ちゃんにそれを頼むのは。 |
慈 | ん? なに言ってるの? 姫芽ちゃんが私に配信を学びたいというように、 トップに教えて貰うのがいちばん早いんだよ。 |
慈 | 姫芽ちゃんが私から配信を学んだように、ね! |
瑠璃乃 | いや、それはその通りかもなんだけど。 |
慈 | ? |
姫芽 | へえ、めぐちゃん……“強く”……なりたいんですね……? |
慈 | ん! ……えっ、ん? 姫芽ちゃん? |
瑠璃乃 | さってと、ルリはカジュアルに生きてくから、ここらへんで。 |
慈 | るりちゃん? え、姫芽ちゃん!? |
姫芽 | わかりました。 めぐちゃんせんぱいが本気なら、アタシも本気で付き合います。 |
姫芽 | まずは500……いや、1000時間……。 それだけあれば、強さの3合目ぐらいには。 |
慈 | せん!? いや、あの! めぐちゃんは、かる~く楽しく、 めぐ党さんにチヤホヤされる程度に強くなれたらいいなぁ、って~! |
姫芽 | それがどれだけの困難か、アタシにもまだわかりません。 なにせアタシ自身、まだまだ強さの5合目が見えてくるかこないかという身。 |
慈 | 学生チャンプ取ってんじゃないの!? |
姫芽 | はい、なのでまだまだです。 学生の間でしかないので。 |
姫芽 | 大丈夫♪ 本当に楽しいゲームなので、1000時間ぐらいはすぐに溶けちゃいますよ。 |
姫芽 | 楽しみながら一緒に“強く”なりましょう。 今、サブPC用意しますね。 |
慈 | る、るりちゃん!! 助けてるりちゃん!! |
瑠璃乃 | おつかれっしたー。 |
姫芽 | っしゃあ! 今日もゴキゲンに勝ちに行くぞ~~~!!! |
慈 | 1000時間~~~!?!? |