第6話『対よろ!!!』

PART 3

というわけで。
メンバーには連絡しといたよん。
姫芽
ありがとうございます~!
姫芽
でもまずは、やっぱりめぐちゃんせんぱいとるりちゃんせんぱいの
好きなことを知りたいです~!
まあ、そうだろうね!
って言っても、姫芽ちゃんが知らなそうなこと、なんかあったかなあ。
姫芽
ブティック巡り、配信、カフェ巡り……。
やっぱり全部知られてるような……。
そもそも、しょっちゅう連れ回してるしね!
姫芽
あっ!
お、なにかあった?
姫芽
“天使ちゃん”!
あー、ギターかー。
なるほどねー。
天使ちゃんの名前を知ってる辺りはさすがだねえ。
直接言ったことなかったよね!
姫芽
はい~! ちゃんと配信で知りました~。
ちゃんとってなに。
姫芽
そりゃあもう、いちみらぱ!好きとして!
よっと……。 それじゃあ、弾いてみよっか。
姫芽
えっ、いいんですか~?
私の好きを知ってもらうためには、実際やってみるのがいちばん。
ほれほれ。
姫芽
し、失礼します~……。
姫芽
アタシ、楽器触ったことなかったので……
初めてで緊張しております……!
あ、そうなんだ?
わ、めっちゃ手震えてる!
姫芽
こ、このまま指で……? いや、歯で……?
歯なんて使わないよ! よほどの上級者ならわかんないけど!
姫芽
え、こずえせんぱいとか……?
確かにあいつはギター上手いけど!
さすがに使わない……はず! 使ってたら私が見たいけど!
しょーがないなー、はいピック持って。
それからネックをこうして……。
ここをしっかり押さえて。
ちょっと指痛いかもだけど頑張って。
姫芽
ひゃ、ひゃい。
で……って、姫芽ちゃん?
姫芽
めぐちゃんせんぱいと天使ちゃんに挟まれている……幸せ……。
ちがーう! それはただ私のことが大好きなだけだ!
姫芽
で、では。
姫芽
ううううう天使ちゃんごめんねえ~。
どういう感情だ……。
姫芽
うう、ギターはやっぱり音楽上級者のもの……。
そんなことないってば。
敷居は高いかもだけど、誰でも最初は初心者。
姫芽ちゃんもゲームでわかってるでしょ?
まあでも、ただなんとなくやるよりは、
気持ちみたいなのがあったほうがいいよね。
たとえば私は、
もともとテレビの企画で触ったのが最初だったんだよね。
姫芽
でも、ギターって弾けたらかっこいいじゃん?
オトナっぽく見えるじゃん?
それで、ひとりで練習始めたんだけど。
やってくうちに、なんかね、わかったんだ。
あ、私って音楽好きだったんだな、って。
姫芽
おお……!
歌もダンスも目立てるからやってたつもりだったけど、
ひとりでギター弾いてる時間も、楽しくてさ。
姫芽ちゃんはどう? 音楽、好き?
姫芽
好きです!
スクールアイドルの曲も、ゲーム音楽も、好きです~!
よーし。 じゃあ楽器を弾く楽しみを追加してあげよう。
なんか弾いてみたい曲とかない?
姫芽
それなら、やっぱりみらくらぱーく!の曲が良いです!
いいじゃんいいじゃん。
イントロだけでも弾けると楽しいよ。
できそうなのだと……やっぱりマハラジャンボリーとかかな?
あれいちおう最初ギターだし。
てれれれてれれれ てん てれれれれてん。
姫芽
わあ、なんか弾いてみたくなってきました!
ふふふ。 それじゃ慈おねーさまが、魔法をかけてあげるよ。
ほら、最初の指でここを押さえて……鳴らす!
姫芽
! ほんとだ!
めぐみおね~さま! アタシ、やれそうです!
よろしい! では、レッスンを始めましょう。
指痛くなっても、泣かないように!
姫芽
頑張ります!!
姫芽
~♪
姫芽
ぁ……できたー!!
やるじゃーん! お前も天才かー?
姫芽
え~へ~へ~。 めっちゃ楽しいです~。
このまま全部弾けるようになりた~い……!
お、モチベ上がったね。 良いことだ。
姫芽
はい~! さっきはめぐちゃんがイントロ歌ってくれましたけど……
めぐちゃんが歌ってるのに合わせて弾きたいなって、すっごく思って~!
……好き、増えたんじゃない?
姫芽
あ……そうかもです!
ふふ。 セッション、楽しみにしてるよ。
姫芽
はい!
……めぐちゃんせんぱい!
姫芽
天使ちゃんをアタシにください!
ダメだよ! 貸すだけだからね!?