第7話『Link to the FRIENDS!』

PART 9

吟子
あんなさやか先輩頼みの、適当な分担に、負けんわいね……!
吟子
手順通りやれば、誰でもおいしく作れるもん。
吟子
この日のために用意した上等なあんこ、白玉……。
あとは寒天を切って、と……。
吟子
事前準備の時間さえあれば、私だって!
小鈴
いらっしゃいませー、いらっしゃいませー!
おいしいあんみつですよー!
小鈴
あ、いらっしゃいませー!
このあとライブもやりますので、ぜひぜひ来てくださーい!
姫芽
あ、吟子ちゃん盛り付けは手伝うね~。
っとっと、列整理もしなきゃ~……。
姫芽
あれ~、けっこう忙しいぞ~?
せっちゃん
あの。
小鈴
はい! お客様ですね! あんみつおひとつですか!?
メニューの種類とかもいっぱいありますよ!
せっちゃん
えと……じゃあ、ふつうの。
小鈴
ありがとうございます!
それじゃあ少々お待ちいただければと~!
せっちゃん
はい。
せっちゃん
……………………。
あれ? けっこう時間かかってる……かも?
姫芽
ね、ね、吟子ちゃん~。
姫芽
ちょ、ちょ~っとお店が詰まってきちゃったから、
手順飛ばしたり、急いでもらったりしても~?
吟子
えっ……手順通りじゃ、なく……?
ど、どうすりゃ……。
姫芽
えっ、あっ、吟子ちゃんが固まっちゃった……!?
あっ、お、おっけー! 吟子ちゃんは、今のやり方でそのままやってて!
吟子
わ、わかった!
姫芽
ちょ、ちょ~っと小鈴ちゃん~!
中を手伝ってもらっていいかな~!
せっちゃん
……。
小鈴
わかりました!
徒町やりますね! やります!
姫芽
う、うん、よろしく~……。
しばらくアタシが接客に回るから……。
姫芽
って、小鈴ちゃん? なんかぐちゃぐちゃになってない!?
小鈴
あう……! し、失敗した分は、ちゃんと取り戻しますので……!
ちぇすと~!
姫芽
えっ、えっ!?
小鈴ちゃん~!?
姫芽
うわ~、だめだこれ~……。
アタシじゃ、とめらんない~……。
せっちゃん
…………なんか、ドタバタ?
せっちゃん
おいしいクレープひとつ、くださいな。
花帆
はーい、任せてせっちゃん!
さやかちゃんが日本でいちばんおいしいクレープを作ってくれるからね!
さやか
ハードル上げすぎです!
せっちゃん
こっちは、平和そうだね。
花帆
うん? 一年生の方、なにかあったの?
せっちゃん
なにかってわけじゃないけど……。
お店がうまくいってなくて、大変そうだった。
花帆
ええっ!?
なんで~!?
瑠璃乃
えーっと、勝負はいちおー、ルリたちの勝ち、だけど。
花帆&さやか
……。
吟子
……なんで。
小鈴
今回こそはって思ったのに……あんまりうまく、いかなかったね……。
小鈴
って、徒町のせいだよね……ごめん……!
吟子
いや、それを言うなら、私も途中から、
頭真っ白になっちゃって……。
小鈴
で、でも!
この次、竜胆祭ステージもあるから!
瑠璃乃
そ、そーだね!
そもそも模擬店のお手伝いと、ライブはぜんぜん違うし!
瑠璃乃
終わりよければすべてヨシ!
吟子
……はい。
がんばります。
姫芽
……。
では、いきましょう。
竜胆祭ステージのトップバッター、しっかりと務めましょうね。
綴理&慈
おー/はーい。
吟子&小鈴&姫芽
はい!
吟子
……あれ……?
吟子
……。
隣、いいかしら。
吟子
あ……梢先輩。
せっかくの文化祭なのに、なーにそんな悲しそうな顔してるの。
小鈴
慈先輩……。
失敗した、って思っている?
吟子
それは……はい。
吟子
少しずつ上達を実感して、今度こそうまくいくと、思ってたんです……。
なのに、肝心の本番で、息が合わなくって。
本番は、この後に控えたラブライブ!予選でしょう?
そうそう。 そもそも、みんな喜んでくれてたんだよ?
ステージだって、盛り上がってたでしょ?
……自分たちの出来は、自分たちがいちばんよくわかっている、かしら。
そうよね。 あんなに練習していたんだものね。
ほらほら、梢までそーんな暗い顔しないんだよ。
し、していません。
っふふ。 大丈夫、まだまだぜんぜん間に合うからさ。
私たちがついてる。
別に踊れなくなったわけじゃないんだから。
明日からまたがんばろ? ね?
吟子&小鈴&姫芽
……。