さて……みんな。

改めて、蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ……
ラブライブ！地区予選突破しました！

よっしゃー！！

やった、やったね！

うん、やった……！
先輩方の目にくるいがなくて、よかった……。

ふふ。 良かったです。
改めてもう一度、地方大会に歩みを進められた……。

ここからだね、さやかちゃん！

はい、もちろんそうです！

つーづりーん。 なにエモい顔してんの？

してた？

ふふ。 去年も地区大会の結果を話す時はこうしていたわね。
綴理は、この景色が好きなのよね。

え、なに？
ふたりの世界に入ろうとしてる？ 今。

そうじゃないわ。

ま、去年より人数も増えたし、
綴理は賑やかな輪の中にいるのが、なにより幸せそうだからね。

そうだね。 去年と違って悩みもないし……
うん。 良い景色。

でも、去年と今年じゃまた違うんだよ綴理。 ふふっ、ほら。

綴理せんぱーい！
徒町、徒町なんとか足を引っ張らずに済みましたー！

小鈴ちゃん、あっち三年生だけで何やら会議中っぽいよ～？
突っ込んじゃう？

だったら邪魔しちゃダメでしょ……！

……ふふ。

うん、みんなすごくいいパフォーマンスだったと思うよ。

綴理センパーイ！ あたしは、あたしはどうでしたかー？

明るさはそのまま……去年よりもっと良かった。

やったー！

お、褒められたがりか～？

えへへー。 あとで慈センパイも褒めてくれていいんですよー？

じゃなくて！

あたしは綴理センパイの正直な評価を聞きたかったんですー！
今後を見据えて！

確かに……。
綴理先輩って、なんというか、物事をちゃんと見てくれている気がします。

私も、聞きたいです。

ぎんもひめも……すずも。 3人の色が混ざり合って調和して……。

ボクは、なんだか感動してた。
これが今の蓮ノ空なんだなって思ったよ。

ボク、ちゃんと見てるんだ？

あら、自覚がなかったの？ みんなそう思っているんじゃないかしら。

それは、嬉しい。

綴理は、私たちが大好きちゃんだからね。

一年の頃より、雲とかアリとか眺めてる時間、減ったでしょ？

なんでわかるの？

その分の時間、いちばん大好きなもの……
スクールアイドルのことを、眺めるようになったってことだよ！

それは、そうだね。 うん。
ボクも……スクールアイドルのみんなが大好き。

ありがと、めぐ。

？

去年、見てるだけでも幸せだった。 でも今は。

ああ、うん。 今が、一番楽しい。

ふう……慣れたとはいえ、毎度寂しいものね。

あら、夕霧さん。 こんにちは。

こんにちは。 お掃除？

そうですよ。 あなたのお隣さんのね。

そうだったんだ。 頼めばボクの部屋もやってくれたのか……。

寮母の仕事はお手伝いさんではありませんよ。
部屋が空いたから、その掃除をしていたんです。

空いた？

……えっ？

この子は、早期卒業したんですよ。
蓮ノ空では、珍しいことでもないですが。

……。

少し、寂しくはありますね。

提出物が！ 多すぎます！

徒町たちも、お力になりますよ！
徒町は右から、花帆先輩は左から読み上げてください！

それだ！
左右から音読することで、さやかちゃんの書類処理速度を、3倍に……！

ふたりとも、それはさすがに邪魔だよ……。
……えっ、できませんよね？

もしかして、さやか先輩なら、できるんですか……？

そうですね！ さすがにできませんね……！
お気持ちは嬉しいので、1枚ずつ、頑張ります。

あ、あはは……いえ、お気持ちは嬉しいですよ。 頑張ります。

分かりますよ～。 応援は力になりますよね～。

そう、ですね！

そういうのってパフォーマンスに限った話じゃ……。

みんな、書類の方はどうかしら。

今、がんばってます！

花帆先輩は、邪魔してたでしょ……。

年末までにやっておかないといけないことは、多いですね……！

ありがとう。 未提出書類のリストは貰ってきたから、
優先度順に潰していきましょう。 ……と。

提出物といえば、綴理。
あなた、進路調査票が未提出だと聞いたのだけれど。

え！？ 綴理先輩！？

……。

……綴理せんぱーい？

あ、うん。 なに？

なにではなくて。 あなた、進路調査票は？

なにそれ。

卒業後の進路を学校側に知らせる提出物です。
もう11月ですし……11月！？

なんでまだ出してないんですか！？
わたしが代わりに書きましょうか！？

そ、それはまかり通らないっしょ。

卒業後の……進路。

卒業……しなきゃダメ？

えっ……？

綴理、あなた……。

今日、隣の部屋が空いたんだ。 早期卒業、だって。
ボクはここから、離れたくないな……。

……ごめん、なんでもないや。

徒町は……徒町は、卒業してほしくないです！！

こ、小鈴！？

してほしいか、してほしくないかって話だったら、
そりゃ、綴理センパイにも、ずっといてほしいに、決まってますけど……。

ええっと……？

卒業がなければ……るりちゃんとめぐちゃんもずっと一緒……？

おーい、ひめっち帰ってこーい。

え、絶対嫌ですけど、めぐちゃんとるりちゃんが離れ離れなんて！

そんなこと言われても……！

えっ、いける……？

いけません……。

卒業……しなくていいとは言えないわ。
でも、あなたの気持ちは、私も分かるはず。 同じ三年生だもの。

……こずも、寂しい？

あまりにも当たり前すぎて、
口に出すのは少し恥ずかしいのだけれど……。

……。

そうね、スクールアイドルでいられる時間が、
あと半年もないというのは、とても寂しいわね。

でも、卒業はするんだね。

……それは、そういうものだもの。 区切りがあるからこそ、がんばれる。
3年という月日を、たったの1日だって無駄にはしないように。

私はそう思って、過ごしてきたつもりだわ。

……そっか。

……。

綴理先輩。 たとえばなんですけど。
去年、オープンキャンパス頑張ったじゃないですか。

え、うん。 頑張った。

はい。
だからたとえば、中学三年生が、高校に希望を持ってくるように……。

きっと、高校を卒業したあとも、
綴理先輩もこの先で楽しいこと、たくさんありますよ。

綴理先輩！

徒町、良いこと思いつきました！
いや、徒町なので的外れかもしれませんが！

？ ううん、聞きたい。

はい！ 綴理先輩も、オープンキャンパスをやればいいんです！

やったよ？ 頑張った。

ああ、そういうことですか。
綴理先輩、蓮ノ空のオープンキャンパスではなく……。

綴理先輩自身が、
将来やってみたいことを探してみればいいのではないかと。

それは良い考えかもです～！

アタシの場合は偶然でしたけど……。

やることなくなって燃え尽きてる時に、
みらくらぱーく！に出会えたおかげで、この先が楽しみになったんです～！

……面白いかもですよ、つづパイセン。
やっぱ、新しいことって、自分から探してみないと見つからないもんですし。

ルリも、スクールアイドルクラブが楽しそうだと思ったから、
ここに入ったんです。

新しい……やりたいこと……。

梢先輩は、どう思いますか！？

えっと……そうね。 いいんじゃないかしら。

卒業した後の、やりたいこと探し。 どうかしら、綴理。

……そっか。 その方が、いいんだね。

ちょっと、考えてみたい。

そしたら、やること探すチャレンジです！
徒町も色々、探してみますね！

ん……ありがと、すず。