第9話『ALL Link to YOU』
PART 9
- お手伝いのスクールアイドル
…………。
なんで、こんな場所に……。 - 花帆
はぁ、はぁ、はぁ……。
あ、あのね! 来てくれて、ありがとう! - お手伝いのスクールアイドル
……別に、いいよ。
それで、なに。 話したいことって。 - 花帆
ちょ、ちょっと待ってね。
はぁ、はぁ……。 うん、よし……。 - お手伝いのスクールアイドル
……なに?
- 花帆
ごめん、金沢駅から、走ってきたから……。
- お手伝いのスクールアイドル
はあ……!?
こんなとこまで……!? - お手伝いのスクールアイドル
……はあ。 てか、なに。
謝られても、私は絶対に許したりなんかーー。 - 花帆
襟川つぐみちゃん。 高校三年生。
新潟県立晴里高校の、スクールアイドル。 - つぐみ
……そう。
呼び出すときに、名簿を見たんだ? - つぐみ
あんたは知らないかもだけどさ。
道端に咲いているどんな花にもね、名前ってあるんだよ。 - 花帆
……あたし、わかったんだ。
たとえ夢が叶わなかったとしても、夢は叶うんだ、って。 - つぐみ
……は?
- 花帆
もしラブライブ!を優勝できなかったとしても、
そのみんなで駆け抜けた時間は、かけがえのないものなんだ。 - つぐみ
あんたーー。
- つぐみ
よく私に、そんなことが言えるね!?
私たちから、夢を奪っておいて! - 花帆
私、たち……。
- 花帆
つぐみちゃんのこと、少し、聞いたよ。
- 花帆
蓮ノ空を憎んでるのは、自分が夢を叶えられなかったから、じゃない。
つぐみちゃんは、大好きな先輩の夢を叶えられなかったことを、
ずっと後悔しているんだ。って。 - つぐみ
ーー。
- つぐみ
そうだよ!? だから、なに!?
- つぐみ
先輩は、ラブライブ!を優勝するために、3年間ずっとがんばってきて!
そして3年間ずっと蓮ノ空に夢を潰されて、卒業していった! - つぐみ
それでも!運がなかったって!?
ラブライブ!が終わってもまた次の夢を始めればいいって!?
そんなこと、言えるわけないでしょ! - 花帆
うん……そうだね。
だから、わかるよ、つぐみちゃんの気持ち。 - つぐみ
知ったことを言うなよ!
あんたたちは、勝手に友達をステージにあげたくせに! - つぐみ
ラブライブ!を優勝できたくせにっ!
- 花帆
ーー違う!
- つぐみ
っ!?
- 花帆
あたし、わかったんだ。
この1年間、Bloom Garden Partyの準備をして、
夢に向かって駆け抜けてきて……。 - 花帆
どうして、ラブライブ!があるんだろう、って。
- 花帆
スクールアイドルは誰かと競わなくたっていいのに。
どうしてわざわざ、戦わなきゃいけないんだろう、って。
ほんとはずっと、そう思ってた。 - 花帆
でもそれが、ようやくわかった。
- 花帆
ラブライブ!は、夢の器。
誰もが夢を見て、その夢を叶えるために、がんばり続ける。 - 花帆
そこには、勝ち負けなんて、ない。
自分は“がんばったんだ”って、そう誇れるように……胸を張れるように、
ラブライブ!があるんだ、って! - つぐみ
っ、もう、黙ってよ!!
あんたの話なんて、これ以上、聞きたくない! - 花帆
あたしは!ラブライブ!優勝に挑んだから、たくさんの友達ができて、
たくさんの仲間ができて、応援してくれる人と、繋がることができた! - 花帆
だからこうして、つぐみちゃんと今、お話することだって、できてる!
- 花帆
そしてーーつぐみちゃんに新しい夢を見せることが、できるんだよ!
- つぐみ
私の新しい、夢……?
あんたは、なにを、言って……。 - 花帆
これがあたしたちの、『繋がる力』。
- 花帆
思い出したんだ。 新潟県立晴里高校。
ラブライブ!プレーオフの署名運動の時に、反対意見をくれたよね。 - つぐみ
は……? 学校なんて、全国で何校あると思ってるの……。
そんなの、覚えてるわけ……。 - つぐみ
本当に……?
- 花帆
じゃあ、これは知ってる?
当時三年生だったスクールアイドルの人が、反対署名になんて書いて、
送ってくれてたか。 - つぐみ
え……?
- つぐみ
そんなの……決まってる。
先輩だって、蓮ノ空のことを恨んでた! だったら……! - 花帆
『夢を、何だと思っているの』。
そう、怒られたよ。 - つぐみ
……。
- 花帆
でもその後に、
『後輩にとっても大切な夢だったのに』ってあったんだ。 - つぐみ
え……?
- 花帆
去年の1月。 もう北陸予選大会は、終わってる。
大会に負けたショックで、つぐみちゃんと先輩が、大喧嘩した後の、こと。 - 花帆
先輩は本当は、つぐみちゃんのことを大切に想っていたんだよ。
- つぐみ
ちょ、ちょっと待ってよ。
なんであんたがそんなこと知ってーー。 - 花帆
あたしの後輩と親友と仲間たちが、駆け回って、繋いでくれたんだ。
突然、連絡したらびっくりさせちゃったけど……。 - 花帆
なんたって、反対署名を送ったあの蓮ノ空からの連絡だからね。
- 花帆
でも、つぐみちゃんのことを話したら、いろんなことを話してくれた。
すごく、優しいひとだった。 - 花帆
だからこれが、つぐみちゃんの大好きだった、卒業した先輩の言葉だよ。
- つぐみ
…………え?
- つぐみ
つぐちゃん、へ……。
- つぐみ
笑顔でお別れすることができなくて、ごめんね……。
今もずっと、あの日のことは悔しいままです。 - つぐみ
だけど……。
- つぐみ
なによりも、つぐちゃんと笑顔でお別れできなかったことが、
いちばんの心残りです。 - つぐみ
どうか、私のことは忘れて、笑顔でいてください。
それだけ、言いたかったんです。 - つぐみ
ずっと、ずっと、ありがとう……。
私にとってつぐちゃんは、世界一のスクールアイドル、だよ……。 - つぐみ
なに、これ……。
- 花帆
先輩は言ってた。 あの日から、ずっとつぐちゃんに謝りたかったんだ、って。
自分たちが頼りない先輩で、迷惑をかけてしまった、って。 - つぐみ
それは……違うっ!
- つぐみ
先輩がいたから、私の、スクールアイドル生活は、楽しかった……!
- つぐみ
ケンカしちゃったのだって、悪いのは私で……!
だけど、ずっと謝れなくて! ずっと、後悔してた! - つぐみ
本当は……本当は! 大会に負けちゃっても、先輩の夢が叶わなくても……!
笑顔でお別れしなくちゃって……!
笑顔でお別れしたいって! そう、思ってたのに! - 花帆
つぐみちゃん。
- 花帆
このまま、でいいの?
- つぐみ
ーー!
- 花帆
ぜんぶぜんぶ悲しかった思い出のまま、
スクールアイドル生活が終わっちゃって、いいの!? - 花帆
言ってたよね、初めて会ったとき。
『先輩とステージに立ちたい』って。
あれがつぐみちゃんの、本当の願いなんじゃないの!? - つぐみ
なんでそんなこと……!
なんで、あんたに言われなきゃいけないの!? - つぐみ
余計なお節介はやめて! 関係ないでしょ!
もう放っておいてよ!! - 花帆
放っておけないよ!
あたしは、つぐみちゃんと同じだから! - 花帆
センパイとのお別れが悲しくて、納得したくなくて!
このBloom Garden Partyを作ろうと思ったんだから! - 花帆
あたしのことは、いくら恨んでも構わない!
ずっとずっと、憎んでくれていいよ!
嫌いって言われるのはすごく嫌だけど! でも、そんなの関係ない! - 花帆
あたしがこの3年間で掴んだ『繋がる力』は、
それでも、つぐみちゃんの夢を叶えられる! - 花帆
だからーー、あたしたちの作ったStarring Bloomと、『繋がる力』を使って!
- 花帆
先輩の夢を……襟川つぐみの夢を、叶えてよ!!
- つぐみ
私は…………。
- つぐみ
日野下花帆……あんたが、嫌いだ……。
- つぐみ
私にないものをぜんぶもってて……。
こんな私にまで手を差し伸べてくる……あんたが、大嫌いだ……。 - つぐみ
でも……でも……。
- 花帆
つぐみちゃん。
- 花帆
あたしのセンパイが、言ってくれたんだ。
もし夢が終わったそのときは、また新しい夢を始めればいい、って。 - 花帆
だからーー。
- 花帆
つぐみちゃんの次の夢を、今ここで! 叶えよう!
- つぐみ
私……。
- つぐみ
私……っ!
- 花帆
つぐみちゃんの声を、届けて!
- 花帆
ーー『繋がる力』で!
- つぐみ
先輩!
- つぐみ
襟川つぐみです!
この声が届いているなら、どうか、応えてください!
私は、あんなお別れなんて、嫌です! - つぐみ
私……。 先輩に、また会いたい……。
一緒に、ステージに立ちたい……。 - つぐみ
会いたいよぉ…………。
- 花帆
うん。
- 花帆
……うん!
- 花帆
こんにちは、日野下花帆です! フラワー!
- 来場者
『フラワー!』
- 花帆
いよいよ、この日がやってきましたね!
そう、本日からついに、Starring Bloomが始まります! - 花帆
思えばこの日まで、すごく、すごく、すご~~く、
いろんなことがありました! - 花帆
蓮ノ空では初めてのダブル部長が誕生したり、
ゲームのイベントにみんなで出たり、
大好きな友達がヒーローになっちゃったり! - 花帆
スクールアイドルになれなかった子をスクールアイドルにしちゃったり、
夏の合宿ではたくさんの友達ができて、
金沢ぜんぶを巻き込んだBloom Daysも開催したりして。 - 花帆
なくなった学校を救うために、文化祭を開いたり……
ほんとにいろんなことがあって、
たくさんの人と繋がって、ここまで来れました。 - 花帆
ぜんぶ……蓮ノ空に来る前のあたしには、
想像もできないことばっかり。 - 花帆
誰かと繋がるたびに、あたしの世界は、鮮やかに広がっていきました。
- 花帆
そして今ーー。
あたしの前には、本当に素敵な景色が……満開のお花畑が、広がって見えます。 - 花帆
改めて、お礼を言わせてください。
- 花帆
この会場に集まってくれたみんなも、
配信で見てくれているあなたも。 - 花帆
あたしたちと繋がってくれて、ありがとう。
- 花帆
なんにもなかったあたしに、夢をくれて、ありがとう。
- 花帆
そして、もしも寂しくなったら、
悲しいことがあったら、思い出してください。 - 花帆
あたしたちには『繋がる力』があります。
みんなにも、その力があるんです! - 花帆
ぜったいに、ひとりじゃないから。
誰かと繋がるたびに、あなたの世界も、広がっていくから。 - 花帆
あなたが誰かを必要としているその瞬間、
きっと誰かもあなたを必要としているんだから! - 花帆
だから。
- 花帆
このStarring Bloomで、
そして、3月のBloom Garden Partyで! - 花帆
あたしたち、みーんなで一緒に!
花咲こうね!!