第12話『ずっと花咲く僕らの桜』
PART 9
- 小鈴
あ、あの、皆さま……ご心配を、おかけしましたぁ~……。
- さやか
……おかえりなさい。
- 小鈴
も、もう徒町は、大丈夫です!
- 小鈴
さっきは気持ちがワッて押し寄せてきちゃって……。
で、でも! ちゃんと、落ち着きましたので! - 小鈴
セラスちゃんと、みんなのおかげで……。
- 吟子
……うん。
- 姫芽
がんばったよね、小鈴ちゃん。
- 小鈴
だってやっぱり……最後には、笑顔で見送りたいから……。
- セラス
最後……。
- 小鈴
あっ、だ、だめだよ、セラスちゃん!
笑顔、笑顔……。 - 花帆
……さやかちゃん。
- さやか
ええ。
- 花帆
瑠璃乃ちゃん。
- 瑠璃乃
うん。
- 花帆
あのね、小鈴ちゃん。
それに吟子ちゃん、姫芽ちゃん。 - 花帆
せっちゃん、泉ちゃん。
- 花帆
あたしたちも、寂しいよ!!
- 泉
……え?
- 花帆
あたしも、みんなと離れたくない!
ずっと一緒にいたい! - さやか
わたしもですよ、小鈴さん。
- さやか
あなたが卒業するその瞬間まで、ずっと隣で見守っていたい。
これは慰めではありません。 わたしの本心です。 - コメント
そんなこと言ったら、さっきまでがんばって泣かないようにしてたのに……! という顔で、小鈴が涙目になってゆく。
- 小鈴
さ、さやか先輩……?
- 瑠璃乃
ねえ、姫芽。
ルリたち、無敵のコンビだったよね。 - 瑠璃乃
この1年間、ほんとに楽しかった。
だから、これからもそばにいたいって、本気で思ってる。 - コメント
そんなことはムリじゃないですか、という顔で、目が潤んでいく姫芽。
- 姫芽
るりちゃんせんぱい……。
でも、だって……。 - 花帆
あたしたちも、センパイに話を聞いてもらってたんだ。
- 花帆
そんなことムリだとわかってても……
でも、ほんとのことを押し殺したまま卒業しちゃったら、
きっと後悔するって……。 - 花帆
そう、思ったから!
- 梢
……ええ。
- 慈
寂しいときは寂しいって言えばいいんだよ。
あんたたちは、私たちと違って、天邪鬼じゃないんだからさ。 - 綴理
ボクはいっぱい言ってたよ?
- 梢
……どうしてふたりとも、私を見るのかしら。
- 慈
ま、先輩だからって、一足先にオトナにならなくったっていいってこと。
- 小鈴
でも……でも、だけど……!
- 小鈴
先輩たちは、卒業しちゃう……。
- 吟子
……あのさ。
- 吟子
きれいだよね、アルバムツリー。
- 吟子
花帆先輩が言ってくれた通り、ここには私たちの思い出が詰まってる。
- 吟子
でもさ、やっぱりこれはまだ、完成じゃないよ。
- 花帆
えっ?
- 吟子
だってこれが105期まで続く軌跡なら、私たちの105期はまだ終わってない。
その総決算として、いちばん大事なーーBloom Garden Partyが残ってる。 - 花帆
あ……。
- 吟子
みんなで作ったBloom Garden Partyを大成功させて!
そのときの気持ちを、感動を、情熱を、分かち合って……
そしてそれを、みんなで持って帰ろうよ! - 瑠璃乃
でも……持って帰るって、どういうこと?
- 吟子
それは。
- 吟子
このツリーに飾られた写真とその花を、それぞれが持ち帰るんです!
- 吟子
アルバムツリーが私たちの思い出そのものなら、
同じ樹から咲いた花を持つ私たちは、離れていても繋がってるって、
きっとそう、思えるはずだから! - さやか
離れていても……。
- 小鈴
繋がってる……。
- 吟子
うん。 どこまでも広がる同じ空の下よりも、確かな証を……。
いつだって、この手に……。 私たちの思い出を! - 泉
なるほど、そうか、そういうことか……。
- 姫芽
……だったら、まずはアルバムツリーを完成させなきゃ、だよね~?
- セラス
Bloom Garden Partyで、わたしたちの写真を……!
- 吟子
ううん、それだけじゃダメ。
- 吟子
アルバムツリーを本当に完成させるために、まだ足りないことが、あるから。
- 花帆
足りないことって……?
- 吟子
それはーー。
- 吟子
106期スクールアイドルクラブ部長、百生 吟子として、お願いします!
102期生の皆さんも、私たちと一緒に、ユニット楽曲を歌ってください! - 花帆
えっーー。
- 花帆&瑠璃乃&小鈴&セラス
えー!?
- 姫芽
待ってました~!
- 小鈴
ちょ、ちょっと待って!
吟子ちゃんが106期の部長になるの!? - 吟子
う、うん。
- 吟子
その話は、今は置いといて!
- 小鈴
置いとくにしてはおっきすぎるよぉ!
- 梢
ええと……。
だとすると、私たちよね……。 - 慈
一度断ったつもりだけど……。
このライブの主役は、在校生なんだから、って。 - 吟子
はい。 ですが、
それがアルバムツリーを完成させるためには必要なんです。 - 吟子
私たちは最後にもう一度、先輩たちと一緒にユニットをしたい。
その悔いを残したままじゃ、すべてを映したとは言えません。 - 吟子
確かに、本来はお行儀のいいことではないのかもしれませんけど……。
- コメント
102期生、そして103期生の面々が映し出されてゆく。
- 吟子
それでも、願えば未来は作れるんだって、変えられるんだって、
そう教えてくださったのは、先輩方です。 - 吟子
もしそれでも、まだ断られたら、そのときは……。
- 吟子
私は部長命令を使って、みなさんに、
ユニットに参加してもらいますからね!! - 花帆
わぁ……!
- さやか
これは、なんという、ワガママ……。
- 瑠璃乃
やるぅ。
- 吟子
部長はこういうものであると、先輩方に教えてもらいましたから!
- 吟子
……ね、小鈴。
- 吟子
どうかな、これなら。
ひとりきりのDOLLCHESTRAでも、独りじゃないって、そう思えるかな……? - 小鈴
あ……吟子、ちゃん……。
- 小鈴
……うん!
- 小鈴
徒町は、やりたいです!
さやか先輩と、綴理先輩と、最後にもう一度、ステージに立ちたいです! - 小鈴
お願いします!
徒町からも、お願いします! - 姫芽
めぐちゃんせんぱい、るりちゃんせんぱい。 3人でやりましょうよ~!
最強のライブ、作っちゃいましょうよ~! - セラス
先輩方! わたしからも、お願いします。
小鈴先輩と、吟子先輩と、姫芽先輩の、ために。 - 泉
……これが、新たな部長を含め、残された蓮ノ空生の総意なら、
断る道理はないはずだけどね? - 梢
……今から急遽、もう一曲を覚えるのね。
- 梢
わかったわ、吟子部長。
きっと、間に合わせてみせる。 - 吟子
っ!
- 綴理
やろう、すず。
もう一度、DOLLCHESTRAを。 - 小鈴
やっ……ったぁーーーー!!
- 慈
でもいいの?
みんなが私のことしか目に入らなくなっちゃうけど? - 姫芽
願ったりかなったりです! あ、いや!
アタシだって負けないようにがんばりますよ~! - 吟子
……ということに、なりましたけど。
- 花帆
うん……うん!
- 花帆
これが吟子ちゃんの見せてくれた、最初の未来の形。
あたし、今すっごく嬉しい! - さやか
部長はその夢で、部員を引っ張っていけるひと……。
でしたら、吟子さんは間違いなく、部長としてふさわしい。 - 瑠璃乃
またフォーメーション組み直しかー。
キリキリ動かなきゃ、ね! - 姫芽
それだって楽しみのひとつですよ~。
ね~? 吟子部長~☆ - 吟子
あ、うん……。
- 吟子
っていうか、ほんとに今さらだけど……。
その、みんなは、ほんとに私が部長で……。 - 小鈴
来年もよろしくね、吟子部長!
- セラス
吟子部長!
就任おめでとうございまーす! - 泉
いやあお似合いだと思うよ本当に、吟子部長。
- 吟子
泉と姫芽は、なんだか含みがある気がする~……。
- 泉
おやおや。
- 姫芽
盛り上げていこうぜ~、106期スクールアイドルクラブ~☆
- 吟子
まったくもう……。
- 花帆
ね、吟子ちゃん。
それじゃあ、部長としての、初仕事、だよ。 - さやか
ええ。 皆さんに気合入れの言葉を、お願いします。
吟子部長。 - 吟子
わ、わかりました……!
- 吟子
それじゃあBloom Garden Partyに向けて、最後の大詰め、
がんばっていきましょうね! - 吟子
イベントフィナーレのFes×LIVEもみんなでぜったいに成功させて、そして!
- 吟子
アルバムツリーを、完成させましょう!!
- 全員
お~~~~~!!