『Be Cera-fish』
PART 1
- コメント
吟子、小鈴、姫芽、泉、セラスの5人がBloom Garden Partyに向けての準備のため、書類仕事の真っ最中。
- 吟子
これだけBloom Garden Partyの準備が大詰めになってくると、
本当に年度末が近づいてきたって感じがするね。 - 小鈴
来月にはもう先輩たちも居ないんだし、立派にならないと……!
- 泉
ふむ。 来月、来年を迎えるにあたって、
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気合を入れる小鈴の横で、泉が少し申し訳なさそうにしながら割って入る。
- 泉
今のうちに話しておかなければいけないことが
実はもうひとつあるんだが、いいかな。 - コメント
周囲の視線が泉に向くと、泉はその中のセラスを見返して。
- 泉
セラス。 あなたの所属ユニットは、そろそろ決まったのかな?
- セラス
所属……ユニット……!?
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注目がセラスに集まる。
- セラス
いや、まだ、だけど……。 ていうかほら!
入っていいかどうかもお茶菓子持ってお伺い立てに行ってないし! - 小鈴
あ、こっち待ちだった!?
大歓迎だよ!? - 姫芽
うちもうちも!
- 吟子
まあ、当たり前だけど、拒む理由はないっていうか。
- 泉
だそうだ。 良かったね。
じゃあ決めたらいい。 - セラス
そんな球技大会のチーム分けみたいなノリで言う!?
- 泉
なに、ユニットのパートナーとして、最後のお節介がしたくてね。
- セラス
しおらしいこと言って、わたしの逃げ道を塞ぎに来てる……!
- 泉
というか本音を言うと、まだ決めていないことがむしろ意外だったんだ。
ここまで引っ張っているのは、なにか特別な理由があるのかな? - セラス
そういうわけじゃ、ないけど……。
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目を逸らすセラス。理由がありそう!
- 姫芽
せらりん?
- セラス
いやその……。 どのユニットも魅力的で……ですから、あの、その。
- セラス
……いえ、わかりました。
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すぅ、と息を吸うセラス。
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ぷるぷる震えながら鉛筆を手に取り、側面になにかを書き込んでいくセラス。それぞれのユニットを書いて鉛筆転がしをしてしまおうと思っている。
- セラス
スリーズブーケ……DOLLCHESTRA……みらくらぱーく!……。
- 小鈴
鉛筆転がしてユニット決めようとしてる!?
- 泉
それがあなたの本当にやりたいことなのか。
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冷静にツッコミを入れる泉。
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そこでハッとするセラス。
- セラス
本当にやりたいこと。
……はっ、そうだ! - セラス
わかりました、みなさん!
わたしも……ソロをやります! - 小鈴&姫芽
えー!?
- 吟子
なんでそうなるの!
- セラス
これが本当にわたしのやりたいことだったんです!
今この瞬間気づきました! 今までのことぜんぶウソでした! - 吟子
信じるわけないでしょそんなん!
- 泉
ユニット体験が楽しかったことも、
どのユニットも大好きだって言ってたことも、かな? - セラス
え……。
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泉を除く先輩方三人の視線を浴びて固まるセラス。
- セラス
ど、どのユニットのことも好き、だけど……。
- セラス
そ、そう! わたしはわたしの力を試したいんです!
ひとりでどこまで行けるかを! それがみんなの光になるんだよ! - セラス
わたしは来年はソロユニット、輝かしきリリエンフェルトになります!
それでは失礼して……ぐぐぐ、失礼、失礼します! - コメント
己の中の義理に反する行為とわかっていながら、後悔を振り切るように逃げていくセラスを、呆気にとられて見送る4人。
- 小鈴
行っちゃった……。
- 小鈴
え、セラスちゃんの進路これで決まり!?
- 吟子
あんなのが本心なわけないでしょ!
- 姫芽
まあ、本心だったら逃げる必要ないからねぇ~。
- 泉
……予想ではあるけれど。
- 泉
セラスは私がソロを志した決意を理解してくれている。
- 泉
だとすれば本心ではないどころか、
今頃はごまかすためにソロと宣言したことすらも、 - 泉
私の覚悟に水を差したのではないかと、後悔しているだろうね。
- 吟子
ありそう……。
なんてめんどくさい……。 - コメント
泉の言葉に、眉間を揉む吟子。
- 小鈴
……だ、だったら!
どうにかして説得したいよ! - 姫芽
確かに、あのままにしてても良い方向には転がらなそうだよね~。
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吟子、復帰して腕を組む。
- 吟子
まあ、いいんじゃない? 多少は強引に勧誘しても。
それで見えてくるものも、あったりするんじゃないかな。 - 姫芽
お、実体験かにゃ~?
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授業中、お喋りの生徒を注意するように小言を言う吟子。あまり刺々しくならず、仲良さそうな感じで。
- 吟子
安養寺さん。 今はセラスさんのお話ですよ。
- 姫芽
は~い。
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姫芽は改めて切り替える。
- 姫芽
だったら、早速探ってみよ。 そんで、
せらりんの心を溶かした人が、ユニットの相手にふさわしいってことで! - 吟子
またそうやって勝負みたいに……。
- 小鈴
徒町、全力でぶつかってくる!
- 小鈴
徒町は本気で、セラスちゃんが来年、
DOLLCHESTRAを選んでくれたらって思ってたから……! - 吟子
しょうがないなあ、ほんとに!
世話が焼ける後輩! - 泉
ありがとう……ふふ。
- 泉
まったく……こんなにいい先輩が揃っているというのに。
セラスはなにを、意地張っているんだか……。 - コメント
セラスが登校してくるところ。
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するっと隣に並ぶ姫芽。
- 姫芽
おっはよ~せらり~ん。
- セラス
うぇっ……。
お、おはようゴザイマス……。 - コメント
セラスは明らかに姫芽を警戒している。
- 姫芽
う~ん?
- コメント
姫芽はわかっててとぼける。
- 姫芽
だいじょぶだよ~。 無理に勧誘したりはしないからね~。
それより荷物持とうか? - セラス
なんでですか!? 言ったことありませんよね!?
- 姫芽
いやいやそんなことは、あ、歩道側をどうぞ。
- セラス
デートみたいなエスコート!?
- 姫芽
困ったことがあったらいつでも言ってね~?
- セラス
強いていうなら今なんですが!
- 姫芽
ええ!? ユニット選びに悩んでいる~?
それはせんぱいとしてアタシがサポートしてあげなきゃ~! - セラス
やっぱりそういうやつじゃないですかぁ!
- セラス
決めたんです! わたしはソロで行くって!
- セラス
なぜならわたしはぜんぶ自分の思い通りにしたいワガママ娘だから!
ソロしか生きる道がないんですー! - コメント
脱兎のごとく逃げ出すセラス。
- 姫芽
あら~、失敗失敗。
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悩みがある様子で、頬杖をつきひとりたそがれるセラス。
- セラス
はあ……。
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そのセラスの前に置かれるコーヒー。
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吟子は努めてセラスに優しくして懐柔しようとしている。
- 吟子
はい、コーヒー。
- セラス
げ、吟子先輩。
- 吟子
そんな声出すことはないんじゃない?
せっかくアンニュイな雰囲気な後輩に、なにかしてあげようと思ったのに。 - セラス
それはありがたいんですけど……。
朝、姫芽先輩にも会いまして……。 - セラス
吟子先輩がわたしのためだけにコーヒー入れてくれてるのが
もう怪しいと思っちゃうのは自意識過剰ですかね……? - コメント
吟子が止まる。同じ手口だった……! バレてる……!
- 吟子
そ、んなことはないよ? いつも通り。
たったひとりの後輩は労ってあげないとね。うん。 - セラス
……なるほど。
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状況が読めたセラスが、だったらといたずらを思いつく。
- セラス
あー、肩凝っちゃったなー、首が重いなー。 おやおや?
そこに居るのは後輩を労ることに定評のある吟子先輩じゃないですか! - 吟子
こ、こいつ……!
- 吟子
……わかった。
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吟子、葛藤のすえにセラスの背後に回る。
- セラス
え、ほんとにですか?
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吟子、セラスの肩をもみ始める。
- セラス
お、おお……? 吟子先輩、なかなかやるじゃないですか。
来年の文化祭はマッサージ屋いけますね! - コメント
気持ちよく肩を揉まれながら、セラスが意気揚々と語る。
- セラス
あ、もうちょっと強くてもいいですよ。
- 吟子
いきなり調子に乗って……。
- セラス
ふっふっふ。 魂胆は見え透いているんですよ。
わたしの入るユニットをみんなで探ろうっていうんでしょう。 - セラス
存外、黙っていればこうしてみんながセラスちゃんを
かわいがってくれるというのなら、 このままというのも悪くなーー。 - 吟子
村野式マッサージ・爆裂肩。
- セラス
なんですかその技名いいい痛い痛い痛い!!!
- 吟子
花帆先輩が疲れを痛みで誤魔化すために使ったと言われる伝家の宝刀。
重い肩ごと爆破する勢いで肘を肩に突き刺す最凶のマッサージ、だよ。 - セラス
さやか先輩泣きますよそんな名付けされたら!
- 吟子
大丈夫。 健康にはいい。
- セラス
なにも大丈夫じゃない!
やめて痛い痛い痛いですってば! ほんとに爆裂します! - 吟子
そうだよね。 ご機嫌取りなんかより、私はこっちの方がやりやすかったよ。
このまま聞かせてもらうから。 本当はどこのユニットに入りたいのか。 - セラス
それは拷問って言うんですよ!
- セラス
未来への逃亡!
- コメント
セラス、前に転がって逃れる。
- 吟子
しまった!
- セラス
わたしは屈しません!
わたしはわたしの声が好きすぎるので、ソロ活動しかしたくないんです! - セラス
そういうことに、今決めましたからー!
- コメント
セラス、部室から逃亡していく。
- コメント
セラスを探している小鈴。
- コメント
屋上庭園のベンチに座ってひとりため息をつくセラスを発見する。
- セラス
ふう……。
- 小鈴
あ、セラスちゃーん!
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とことこ駆け寄ってくる小鈴に、セラスは肩をびくつかせる。
- セラス
ひっ。
- 小鈴
ひっ!? なんでそんな怯えられてるの!?
- コメント
慌てて距離を取るセラス。
- セラス
小鈴先輩もあのふたりみたいに、わたしに尋問する気でしょう!
そんなあどけない顔をして! その手には乗りませんよ! - 小鈴
なにをしたんだあのふたりは……。
かわいそうに、こんなにふるえて。 - セラス
ぷるぷる。
- 小鈴
でも……セラスちゃんは、
どこのユニットにも入りたくないっていうのは、やっぱり本当? - セラス
は、入りたくないってわけじゃ……。
ただわたしはその……いえ。 - コメント
ぐっとこらえて、セラスはうなずく。
- セラス
そ……そうです!
- コメント
小鈴は肩を落としながらも、頑張って会話を続ける。
- 小鈴
そっかあ。
- 小鈴
でもさ、セラスちゃんが心から絶対にソロがやりたいって、
実はあんまりみんな信じてなくて……。 - 小鈴
徒町もね、なにか隠してるんじゃないのかなあって思ってるんだ。
- セラス
うっ。
- 小鈴
セラスちゃんはきっと言いたくないことだってのも、
なんとなく、徒町はわかってる。 - セラス
……それは。
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口もごるセラス。
- 小鈴
なので! 心理テストを用意してきました!
- コメント
紙束を取り出す小鈴。
- セラス
……へ? え、心理テスト?
- 小鈴
そう! 言いたくないなら、なんとなく感じ取ればいい!
- セラス
感じ取られたら、だめじゃないですか!?
- 小鈴
大丈夫大丈夫、どのユニットに入りたいですか、
みたいなことは聞かないから! ちゃんと作ってきたんだ! - セラス
今度はこういう手なんですね……!
- セラス
小鈴先輩がせっかく作ってきたものを
むげにはできないという後輩心理を突く完璧な作戦……! - 小鈴
じゃあ第一問! 今一番ぱっと出てくる好きな色はなんですか!
- セラス
え、ええと。
- 小鈴
いち、ピンク。
- セラス
あ、選択式なんですね。
- 小鈴
に、青。 さん、黄色。 はいどーれだ!
- セラス
どこかの3ユニットの色です……?
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セラス、ぼそりと独り言。
- 小鈴
にこにこ。
- セラス
わたし的にはー、えっとー。
ライズスカーレット? とかいいかなと思うんですがー。 - コメント
小鈴、頭を抱える。ばかな。
- 小鈴
ライズスカーレット!?
ば、ばかな……それではやはりソロになってしまう……! - セラス
所属ユニットの話なの隠す気がない……。
- 小鈴
セラスちゃん、次やろうか次!
- セラス
え? あ、はい……。
- 小鈴
じゃあ次の心理テスト!
カタカナとひらがなと英字だったらどれが好き? - セラス
スリーズブーケ、みらくらぱーく!、DOLLCHESTRAだ……。
- コメント
小鈴、笑顔で待つ。
- コメント
小鈴、笑顔で待つ。
- 小鈴
にこにこ。
- セラス
漢字とかですかね。
- 小鈴
はうぁ……!?
- コメント
驚愕の表情になる小鈴。
- 小鈴
そ、そんな……徒町の完璧なプランが崩壊を始めている……!
- セラス
小鈴先輩、心理テスト得意じゃないんですね……。
- コメント
警戒したわりにさらりと危機を抜けられたので、セラスは脱力しながら言う。
- セラス
あの、小鈴先輩。
逆に、わたしからの心理テストやりませんか? - 小鈴
え!? セラスちゃんも心理テストを!?
- セラス
あなたにとって優しくてお世話をしてくれて
憧れの人をひとり思い浮かべてください。 - 小鈴
ええ!? さ、さやか先輩しか思いつかない!
- セラス
その人が、今あなたにとても会いたがっている人です。
- 小鈴
そうなんだ!?
たいへんだ、じゃあちょっとさやか先輩探してくるね! - コメント
ばたばたと走っていく小鈴。
- セラス
はい、いってらっしゃい!
- セラス
ふう。
小鈴先輩は素直でまっすぐだなあ……。 - コメント
セラス、微笑ましいものを見る目で小鈴を見送る。