第11話『スクールアイドルクラブのために!(?)』
PART 7
さやか | 急に呼び戻されてみれば……。 |
瑠璃乃 | うるさっ。 電話電話電話電話おぶ電話じゃん! |
梢 | いったいどういうこと……? |
花帆 | わかんないですけど、 お客さんが殺到しているみたいで……。 |
綴理 | ……めぐ? |
慈 | まさか……!? |
慈 | 朝にアップした動画! めちゃくちゃバズってる! |
花帆&さやか&梢&綴理&瑠璃乃 | ええー!? |
花帆 | 動画ってほんとにバズるんですね! あたし、初めて見ました! |
瑠璃乃 | めぐちゃん、がんばってよかったね。 |
綴理 | すごーい。 |
慈 | ええい、このお気楽三銃士! |
梢 | 私たちのライブがお役に立てたのはよかったけれど、困ったわね……。 明らかに、手が回っていないようだわ。 |
さやか | とはいえ、わたしたちも、 そろそろライブの準備に行かないと……。 |
慈 | ……。 |
瑠璃乃 | めぐちゃん? |
慈 | あ……ううん、なんでもない。 |
慈 | そうだね、行かなくっちゃ。 私たちには、私たちのやることがある。 |
慈 | 会場のみんなが、待ってるもんね! |
梢 | ……ええ、心苦しいけれど。 |
花帆 | って、もうバス来てますよ! |
梢 | あれに乗らないと、遅れちゃうわ! |
さやか | 急いでください、綴理先輩! |
綴理 | ほら、るりも。 |
瑠璃乃 | あっ、うん! |
花帆 | ふー……。 なんとかなりましたね! |
綴理 | 間に合ってよかった。 |
さやか | あはは……。 ふー…最後はちょっと、慌ただしかったですね……。 |
梢 | 旅館の様子を見ると、どうしてもね。 後ろ髪引かれる思いだわ。 |
瑠璃乃 | でも、めぐちゃんの動画、 すごい効果だったよねー……。 |
瑠璃乃 | ーーって! |
花帆 | へ? |
瑠璃乃 | め、めぐちゃん!? 手繋いでたはずなのに、荷物にすり替わってるー! |
花帆&さやか&梢&綴理 | えー!? |
慈 | ごめん、ちょっと遅れる。 みんなはライブの準備がんばって、と……。 |
慈 | げ、電話だ。 んー……。 いいや、電源切っちゃえ☆ |
慈 | さすがにね。 こうなったのも、私のせいだし。 |
慈 | 私の編集技術が完璧すぎたから……! |
慈 | だったら、 せめて私は残ってお手伝いをしていくのが、筋って話だよ。 |
慈 | ……とか言ったら、みんなで残るって言い出しそうだったしね。 あの子たち。 |
慈 | ……よっしゃ! |
慈 | それじゃあ、混雑が落ち着くまで、お手伝いしますね! 女将さん。 |
慈 | え? ライブの準備はいいのか、って? まあ、あっちは5人もいるので、なんとかなると思います! |
慈 | そしてこっちは、私が6人分がんばりますので! 受付は任せてください! この藤島 慈に! |
慈 | ようこそお越しくださいました! 長旅でお疲れでしょう! |
慈 | ひゃー……。 お客さん、減るどころか、どんどん増えてる……! |
慈 | これは受付だけやってたら、間に合わないかも……! |
慈 | 一瞬、人がいなくなった、今のうちにーー! |
慈 | まだお掃除の終わってない部屋を、片付けて、と……。 |
慈 | タオルやシーツの交換! 洗濯! アメニティの補充! ゴミも回収して、あとは掃除機をかけて……! |
慈 | ぎゃー! この部屋めちゃめちゃ散らかってる! 元気のいいお子さんが泊まっていらっしゃったもんねえ! |
慈 | あの子、ミニライブ、喜んでくれてたな……。 |
慈 | そういえば、今度のライブもぜったい行くよ、 って応援してくれたっけ……。 |
慈 | ライブ、この調子じゃ、間に合わない、かな……。 |
慈 | ダメダメ! 余計なことを考えている暇なんてないない! ぜんぶ私が撒いた種なんだから、全力でお手伝いしなきゃ! |
慈 | めぐちゃん6倍パワー! |
慈 | ええと、お次でお待ちの方、 診察券と保険証をご用意してーー。 |
慈 | って違う違う。 これ1日看護師でやったやつだ……えっとえっと……! |
慈 | い、いらっしゃいませー! |
瑠璃乃 | めぐちゃん!! |
慈 | って、え!? るりちゃん!? |
慈 | みんなも……なんで? |
梢 | なんでもなにもないでしょう! |
花帆 | 大急ぎでライブの準備を終わらせてきましたよ! |
さやか | それで、すぐにバスで戻ってきた……というわけです。 |
綴理 | 時間は稼いだ。 といっても、ほんの少しだけど。 |
慈 | ライブ、間に合わなくなっちゃうかもしれないのに……。 |
瑠璃乃 | そのために、ルリたちが戻ってきたんでしょー! めぐちゃんのばか! 自己チューギリギリライン越え! |
梢 | さ、みんな。 慈を叱るのは、また後でね。 |
梢 | 混雑が落ち着くまで、もう一働き。 ライブ時間のギリギリまでは、粘りましょう。 |
慈 | 梢……。 |
梢 | ……どうせ、こんなことだろうと思ったわ。 |
梢 | まったくもう。 せめてなにか一言、言ってくれればよかったのに。 |
慈 | べ、別に、私ひとりでどうにでもなるって思ったんだよ! |
梢 | はいはい。 |
梢 | それじゃあ花帆さんと私は、お部屋の掃除に回りましょう。 昨日も少し手伝ったから、やり方は大丈夫よね。 |
花帆 | はい! |
さやか | では、わたしたちは夕食の準備ですね。 |
さやか | なるべくお使いを引き受けて、 厨房の負担を減らせるようにがんばりましょう。 |
綴理 | ん。 |
慈 | ……みんなも、急いでライブの準備して戻ってきたから、 へとへとのくせに……。 だから、言わなかったんじゃん。 |
瑠璃乃 | ね、ルリはどうすればいい? めぐちゃん。 |
慈 | ん……。 それじゃるりちゃんには、 電話応対やフロント業務を手伝ってもらいたいな。 |
慈 | るりちゃん、できそう? |
瑠璃乃 | なんとかなるなる! ならなかったら、そんときはそんとき! |
慈 | おっけ! じゃあ……。 |
慈 | 蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ! 各自、出動ー! |
花帆&さやか&梢&綴理&瑠璃乃 | おー! |