第12話『期待はおもい!』
PART 3
瑠璃乃 | うぉー、人だらけ。 朝ぐらい授業ぎりぎりに来たっていいのにねー。 モチベたっけー。 |
花帆 | そっか、瑠璃乃ちゃんは撫子祭の時居なかったもんね。 |
花帆 | うちの学校って、文化祭の準備、みんなめちゃめちゃやる気なんだよ。 |
さやか | すみません、おふたりにも付き合ってもらって。 |
瑠璃乃 | 良いて良いてー。 単なるおつかいだし、散歩みたいなもんっしょ! |
花帆 | 竜胆祭のステージ使用書類って、その1枚だけなんだよね? あとから別の紙も必要とか無いよね? |
さやか | はい、それは大丈夫です。 これを出すだけだと、委員会の方からは伺っていますのでーーと。 |
花帆 | とおりまーす! |
瑠璃乃 | うへー、前が見えねー! 失礼しゃしゃーっす! |
沙知 | ほいおっけー。 吹奏楽部のステージ使用許可。 合唱部もこれでいいよ。 |
しいな | あれ、花帆ちゃんにーー スクールアイドルクラブのメンバーお揃いだ。 |
花帆 | あ、しいなちゃん、みんな! そっか、合唱部も生徒会室に? |
びわこ | そうだよー。 やっぱりステージ使えないと困るからねぇ。 |
瑠璃乃 | 変な課題とか無かった? ステージを使うためには、生徒会長を倒さなきゃいけないとか! |
えな | あはは、ふつうだよふつう。 みんなも竜胆祭楽しもうね。 |
さやか | ありがとうございます、皆さん。 わたしたちも行きましょう。 |
沙知 | はーい、次どうぞー。 |
花帆&さやか&瑠璃乃 | 失礼します! |
沙知 | おぉ……。 |
沙知 | おや。 キミたちは! |
花帆 | はい、スクールアイドルクラブです! |
瑠璃乃 | どもどもー! |
沙知 | いえーい、どもどもー! |
花帆 | どもです! |
さやか | こ、こんにちは……。 |
沙知 | はっはっは、どうしたんだい。 一年生だけで生徒会に直談判なんてーー謀反かな? |
花帆 | む、むほん!? |
瑠璃乃 | よくわかんないですけど、たぶんそうです! |
さやか | たぶんそうじゃないです! 先輩を裏切るつもりはありません。 |
沙知 | そっかそっか。 安心安心。 じゃあ要件を聞こうか。 |
瑠璃乃 | そいじゃリーダー! |
花帆 | よろしくね! |
沙知 | ふぅん? |
さやか | あ、あの、ステージの利用許可をいただきに来ました。 こちら、提出書類です。 |
沙知 | ……。 |
瑠璃乃 | ……こっからダメって言われることあり得る空気? |
さやか | さ、さすがに……慈先輩も大丈夫と言っていましたし……。 |
花帆 | いやいや大丈夫だよ、えなちゃんたちも言ってたじゃん。 |
花帆 | ふつうに出すだけって。 |
沙知 | ところでさあ。 |
さやか | は、はい! |
沙知 | 梢はどうしたの? あの子が来るものだと思ってたけど。 |
花帆 | あ、それは……実は、梢センパイが風邪ひいちゃったんです。 |
瑠璃乃 | それで今、リーダー代理が頑張ってるってすんぽーです! |
さやか | だ、代理です! |
沙知 | なるほど、なるほどねぃ。 |
沙知 | ここに書いてある、ライブを配信するっていうのはさ。 ラブライブ!の予選に、竜胆祭のライブを使うってことかな? |
さやか | はい、そうです。 |
沙知 | じゃあラブライブ!に出るわけだ! なるほどねぃ。 |
瑠璃乃 | もしかして、竜胆祭に集中しろー! 的な、感じ? ですか? |
沙知 | いやいや、竜胆祭の熱が必要ってのは分かるからね。 相乗効果ってやつだよ。 |
沙知 | ラブライブ!予選がかかってれば、 竜胆祭でのライブも良いものになるだろうし? |
瑠璃乃 | そ、そうなんです! めぐちゃん、今年こそは予選突破するって、めっちゃ燃えてて! |
瑠璃乃 | めっちゃバーニング? でホット? な感じなんです! |
沙知 | ……ああ、そうだろうねぃ。 |
花帆 | 梢センパイも、必ず竜胆祭までに身体を治すって言ってて! |
沙知 | ……ふむ。 |
さやか | わたしも、できることは全部やってあげたいです。 綴理先輩も去年のこと、たくさん思うところがあったと……。 |
沙知 | ……なるほど、なるほどねぃ。 |
沙知 | 花帆に、さやかに、瑠璃乃……だったよね? |
花帆&さやか&瑠璃乃 | は、はい! |
沙知 | キミたち、なんでラブライブ!に出るんだい? |
さやか | え、なんで……? なんで、ですか……? |
瑠璃乃 | そりゃあ、めぐちゃんがファイヤーしてるからで。 |
花帆 | ラブライブ!は、梢センパイの夢なんです! |
沙知 | んー……なるほど。 こういう感じかー。 あの子たちもまぁ……。 |
沙知 | よし! じゃあ、出そうか! |
瑠璃乃 | おお、使用許可! |
沙知 | いいや? このままじゃ、認められないんだぜ! |
花帆&さやか&瑠璃乃 | なんだってー!? |
沙知 | 出すって言ったのはーーキミたちに、3つの試練を、さ!! |
瑠璃乃 | どーしてスクールアイドルクラブにだけ、こんな仕打ちがあるんだー! |
花帆 | これ全部配ってこいって……。 |
瑠璃乃 | 合唱部へーきだったじゃん!! おーぼーだー! |
さやか | 竜胆祭を学外の方々に宣伝する…… それは、確かに必要なことではありますね。 |
瑠璃乃 | だからと言ってー! それは試練じゃなくてパシリだよ! ルリでも分からぁ! |
花帆 | ぐぬぬ。 生徒会長だって、 もともとスクールアイドルクラブのセンパイのはずなのにー! |
瑠璃乃 | なにそれ初知りなんだが。 えっ、じゃあ古巣だからパシっても良い的な!? |
さやか | ……たぶん。 |
さやか | きっと、生徒会長には何かの意図があるんだと思います。 でなければ、使用許可を出さない、というだけで良かったはずですから。 |
花帆&瑠璃乃 | ……。 |
瑠璃乃 | じゃあ、意図って? |
さやか | それは……分からないんですけど……。 |
花帆 | むむむ……いよっし!! |
さやか | 花帆さん? |
花帆 | さやかちゃんがそう言うなら、分かった! 生徒会長の試練、受けて立ってやろう! |
瑠璃乃 | えっ……まじ? |
花帆 | まじまじ大まじだよ! だって、使用許可が下りなきゃ、梢センパイに顔向けできないし! |
瑠璃乃 | それは、確かにそう。 部分的にそう。 |
花帆 | 部分的に。 |
瑠璃乃 | ルリだって、めぐちゃんのリベンジかかってるところで 中止になんてされたくないしね! |
さやか | ありがとうございます、おふたりとも。 ……じゃあ、やりましょうか! |
花帆 | うん、まっかせてー!! 街のひとにチラシを配るってことなら、良い作戦があるから! |
さやか&瑠璃乃 | 良い作戦? |