第16話『Special Thanks』
PART 2
花帆 | 生徒会長~……あたし、作詞で頭がいっぱいなんですけどぉ……。 |
沙知 | まーまー。 そーゆーときこそ、気分転換ってもんが必要なんだよ。 |
沙知 | あたしもよくよく、 煮詰まったときには学校の周りをぐるぐる散歩したもんさ。 |
花帆 | 気分転換……。 お気持ちは、嬉しいです、けど……。 |
花帆 | あの~、生徒会長。 作詞のコツって、あったりします……? |
沙知 | 人それぞれだからねえ。 今までは、梢とどうやって作ってたんだい? |
花帆 | えーと……。 今回は、こういう歌を作りたいですよねーって話をしてー。 |
花帆 | そうしたら梢センパイが色々と質問をしてくれるので、 それに答えてるとー……。 |
花帆 | いつの間にか梢センパイが、 魔法みたいに完成させてくれてます……。 |
沙知 | あはははは、参考にならねー! |
花帆 | だから困ってるんじゃないですかぁ! |
沙知 | 大丈夫だよ、花帆。 |
沙知 | キミはあの12月のピンチを乗り越えたんだ。 あたしは、キミのスクールアイドルパワーを信じてる! |
花帆 | 今はあのときよりピンチかもなんですけど! |
れいかさん | あら、花帆ちゃん? それに……沙知ちゃんも! 珍しい組み合わせね! |
花帆 | こんにちは。 れいかさん、生徒会長のことも知ってるんですか? |
れいかさん | そうよ、イベントごとで、色々とお世話になったもの! 綴理ちゃんを紹介してくれたのだって、沙知ちゃんなのよ。 ね? |
沙知 | ねー。 |
れいかさん | それで、きょうはどうしたの? |
花帆 | あっ、実は……。 |
花帆 | あたしたち、おかげでラブライブ!の全国大会に行くことができました。 |
花帆 | なので、お世話になった人に、 お礼のライブを開こうと思いまして……。 |
れいかさん | ああー! 見た見た、ラブライブ!決勝! すごかったー! |
花帆 | うっ……。 でも、あたしたち負けちゃって……。 |
れいかさん | 私、少し泣いちゃった! |
れいかさん | 知ってる子たちがあんなに大きな舞台に立って……。 すごいよ、スクールアイドルクラブ! |
花帆 | え? |
れいかさん | なんだかいっぱいエネルギーもらっちゃった! お礼だったら、こっちがお礼をしたい気分だわー! |
花帆 | あ、あの、これ、招待状で……。 |
れいかさん | わー! ありがとー! |
れいかさん | その日はぜったいに空けておくから! またねー! |
花帆 | なんだか、すごく喜んでくれました……よね? |
沙知 | だねえ。 |
沙知 | よしよし、どんどんいこ。 |
花帆 | は、はい! |
花帆 | あの、これ、招待状です。 |
花帆 | えっ、あっ。 あ、ありがとうございます! |
花帆 | 瑠璃乃ちゃんから、招待状をもってきました! |
花帆 | ええっ!? そんな、こちらこそ! |
花帆 | ーー。 |
つかさ | ふふっ、がんばる姿に、勇気をもらえたよ! ライブ、楽しみにしてるね! |
花帆 | は、はい! |
沙知 | ~♪ みんな、喜んでくれたねい。 |
花帆 | はい……。 |
花帆 | みんな『エネルギーをもらった』とか『勇気をもらった』って、 言ってくれて……。 |
花帆 | 応援してもらったのは、こっちなのに。 |
沙知 | なんでだろうねえ。 不思議だねえ。 でもさ。 花帆も、そういう経験あったりしない? |
花帆 | あたしも……みんなの配信とか、 ステージを見て、キラキラしてるのがすっごく眩しくて、 あたしもがんばらなきゃって、思ったり……。 |
花帆 | これって、おんなじですか……? |
花帆 | あたしたちの夢見る気持ちが、 繋がった人たちに響いていくのって! |
花帆 | 応援してくれた人たちから、 エネルギーをもらうばっかりだと思っていたのに、 それって巡ってるんですね! |
花帆 | だって、スクールアイドルってーー! |
沙知 | おっと、そこまでだよ。 その先は、ステージの上から伝えてほしいな。 |
沙知 | キミの歌詞でね。 |
花帆 | 生徒会長……。 |
沙知 | 言ったろ? キミはもう、大丈夫。 |
沙知 | あたしはキミのスクールアイドルパワーを、信じてる、ってね。 |
花帆 | ありがとうございます! あたし、伝えたい気持ちが、いーっぱいあるんです! |
沙知 | 楽しみにしてるよ! キミたちのライブ! |