第17話『ルリ思う。』
PART 2
瑠璃乃 | つまり、ルリはめぐちゃんにナメられてんだ……! |
花帆 | ええっと……? |
瑠璃乃 | ルリの言ってること、まともに取り合ってもくれやしない。 かくなるうえは“証明”が必要なんだよ、花帆ちゃん。 |
花帆 | うへえ……なんで数学なの……? |
瑠璃乃 | その証明じゃないよ! めぐちゃんみたいな反応して! いや、めぐちゃんは証明で数学なんてとても結びつかないか。 |
花帆 | ナメてるのは瑠璃乃ちゃんの方じゃない!? |
瑠璃乃 | とにかく、何か良いアイディアが欲しいんだ。 めっちゃ配信やってる花帆ちゃんなら、何か思いついてくれるかなって。 |
花帆 | えーっと……瑠璃乃ちゃんは、慈センパイを説得したいんだよね? |
瑠璃乃 | そう、だったんだけど。 |
瑠璃乃 | このままじゃ何を言っても聞いてくれないから、 めぐちゃんに見せつけたいんだ。 |
瑠璃乃 | ルリは間違ってないんだって。 |
花帆 | 見せつけたいって……。 それって、どうすればいいの? |
瑠璃乃 | それは……なんていうか。 ルリも完全な正解が見つかってるわけじゃないんだけどね。 |
瑠璃乃 | でも、思ったんだ。 みんなを楽しませるためには、ただ楽しいだけじゃダメだっていうか。 |
瑠璃乃 | ルリたちが盛り上がれば良いってわけじゃないんだって。 |
花帆 | たのしいだけじゃ……だめ……??? |
瑠璃乃 | うーん、言葉にするのが難しいなあ! どうしたら良いと思う!? |
花帆 | わかんないけど!? ええと、慈センパイに見せつけたいんだったらー……あ、こういうのは? |
花帆 | 瑠璃乃ちゃんが実際にやってみるのは! こないだの竜胆祭で、さやかちゃんがソロで歌ったよね? |
瑠璃乃 | ソロ……。 みらくらぱーく!、スクールアイドル性の違いで解散……!? |
花帆 | ええー!? だめだめ! いったん離れてもいいから、またすぐ戻って! |
瑠璃乃 | ! 一旦離れて、戻る? |
花帆 | る、瑠璃乃ちゃん? |
瑠璃乃 | それだー!! |
梢&さやか&慈 | ごちゃまぜユニット~!? |
瑠璃乃 | そう! ごちゃまぜ! ルリが花帆ちゃんと組んだりするの! |
瑠璃乃 | そんで、それぞれで準備して、 ちょっと時間空けてお披露目ライブ! |
瑠璃乃 | どう? どう? 楽しそーだと、ルリ思う! ゆえに、ルリあり。 |
慈 | なに、るりちゃん! スクールアイドル性の違いで解散ってこと!? |
瑠璃乃 | そーゆーことじゃないけど! ……“証明”するためには必要なの。 |
慈 | 証明? |
瑠璃乃 | 数学の方じゃないからね。 |
慈 | ?? なんで証明と数学が関係あるの? |
花帆 | あっ……。 |
さやか | ……えっと、梢先輩。 どう思いますか? |
梢 | ……ええ。 面白いんじゃないかしら。 |
慈 | 梢までぇ? |
梢 | ある種、今しか出来ないことだと思うわ。 理由は幾つかあるけれど。 |
梢 | ひとつめに、来月は来月で蓮華祭……今年の締めくくりが控えていること。 今を逃せば、こうした、今回限りの企画は出来ないもの。 |
さやか | 1年の締めくくりなら確かに、 奇をてらわず正面から全力をぶつけたいですね。 |
さやか | 練習時間はしっかり確保したいです。 |
梢 | ふたつめに、私たちはラブライブ!も経験して、 ひとりひとりがしっかり実力をつけてきたタイミングでもあるということ。 |
梢 | だから、普段と違う相手と組むことによって、 特に一年生は得るものがあるでしょうね。 |
梢 | いわば、応用編のようなものだわ。 |
花帆 | やったー! 基礎は卒業だー! |
梢 | 基礎は永遠よ。 |
慈 | そんだけ? |
梢 | みっつめは、ユニットを組んだ相手を、 外から見る機会にも恵まれることね。 |
梢 | 例えば私なら、花帆について新たな発見があるかもしれないし。 逆もそうよね。 |
さやか | 自分のスキルアップだけでなく、メンバーの観察と研究、 これからのことも見据えられる……。 |
さやか | はぁ……! 瑠璃乃さん、そこまで考えて……! |
瑠璃乃 | うぇ! あ、そーそー!! そーなんです!! |
綴理 | んー……じゃあ、最後は? |
花帆 | あ、まだあるんですか? |
梢 | あら、よく分かったわね。 最後のひとつは……楽しそうよね。 |
綴理 | そっか。 楽しいんだ。 ならいいね。 |
瑠璃乃 | いよっしゃー! 梢先輩、あざまーす!! |
瑠璃乃 | ……めぐちゃん。 |
慈 | なに。 |
瑠璃乃 | 失敗なら失敗で、ルリが間違ってたってなるなら……それでも良い。 |
瑠璃乃 | でも、今譲るつもりはないから! |
慈 | ふーん! あっそ! あとで泣いたって胸は貸してあげないよーだ! |
瑠璃乃 | 要るか! 花帆ちゃんに借りるわ! |
花帆 | 巻き込まれてる!? |
さやか | えぇっと……これ、大丈夫なんでしょうか。 |
綴理 | シャッフル……寂しい? |
さやか | そ、そういうことではなく! いえ、本当にそういうことではないですよ? |
綴理 | そっか、ボクはちょっと寂しい。 |
花帆 | 大丈夫ですよ。 ちゃんとさやかちゃんも寂しがってますから! |
さやか | からかわないでください! そうじゃなくてその、瑠璃乃さんとーー。 |
慈 | はぁ……ごめんねみんな。 るりちゃんのわがままに付き合わせちゃってさー。 |
慈 | 組む相手はどう決めるの? じゃんけん? |
瑠璃乃 | クジ。 作ってきた。 |
慈 | 準備いいじゃん……。 |
梢 | ステージで見るあなたを楽しみにしているわ、花帆。 |
花帆 | えへへ、センパイにいいところ見せちゃいますね! |
綴理 | さや、見てるからね。 |
さやか | 綴理先輩もやるんですからね!? |
瑠璃乃 | それじゃあ! |
花帆&さやか&梢&綴理&瑠璃乃&慈 | せーの!!! |