第18話『いずれ会う四度目の桜』

PART 10

花帆&さやか&梢&綴理&瑠璃乃&慈
……。
沙知
そういうわけで、蓮華祭のために、最高のステージを用意したよ!!
あの、沙知先輩。
これは、ステージを用意とか、そういうレベルではなく……。
綴理
……つくったの?
沙知
ああ、1年かけて。
沙知
せめて、キミたちに何かできることがないかと思って……
お詫びの、つもりだったんだけど。
沙知
今なら堂々と言えるかな。
お詫びじゃなくて、後輩へのプレゼントだって。
沙知
これが、あたしからキミたちに贈るーー第二音楽堂だ!
花帆
音楽堂貰っちゃった!?
瑠璃乃
わぁ、お嬢様学校ってスケールが違うや。
沙知
名前はまだないから、どうかな。
キミたちで付けてあげてくれないかな。
さやか
待ってください、待ってください。
え、これスクールアイドルクラブの所有物にしていいものなんですか!?
沙知
あっはっは。
残念ながら、キミたちだけの所有物にはできないな。
沙知
でも、音響をはじめとした設備は、スクールアイドルのステージに
これ以上ない仕上がりにしたつもりだ。
沙知
ここがあればもう……狭いステージで危ないことが起きたりはしない。
ぁ……。
沙知
にひっ。
ああもう、沙知先輩のくせに……!
瑠璃乃
ありがと、沙知先輩。
……それにしても、花帆。
花帆
は、はい!?
最高のステージのお礼に、最高のライブをすると、言ってしまったものね。
これは……なかなか気合が入るわね。
花帆
が、頑張るぞぉ……!!
さやか
……さて。 少々取り乱しましたが……
蓮華祭ではわたしたちの全力を見せると決まっていましたから。
さやか
プレッシャーこそあれど、緊張を覚悟に変えることは出来るはずです。
綴理
あとは……あの曲をどうするかなんだけど。
花帆
あの、梢センパイ。
あたしたちも見せて貰いましたけど、あの曲に何が足りないんですか?
瑠璃乃
そーそー、気になってた。
あれは、その。
沙知先輩に向けて作った曲だから……。
ちょっと、ラブレターみたいになっちゃってるじゃん……?
花帆&瑠璃乃
……?
花帆
たぶん、センパイたちにとっての、
いちばんのセンパイに向けて作ったからだと思いますけど……。
瑠璃乃
気持ちを込めてさ。 すっごく悩んで、
さちパイセンのために頑張ったからだと思うけどさ……?
花帆&瑠璃乃
すっごく良かった(です)よ!!
花帆
部室にあった音源、聞きました!
あたしたちほんっとに感動しちゃったよね!
瑠璃乃
うん! きっと、大事な先輩がいる人なら誰だって分かる、
みんなの150点になってるとルリ思うよ!!
綴理
ほらあ。
ほ、ほらあではないでしょう!?
綴理だって『そうなのかあ』ってなってたじゃん!
綴理
ちらっ。
さやか
えっと……わたしも、本当に素敵な曲だと思っていましたよ。
さやか
先輩方がそれぞれ込めた想いが、結集して美しく昇華されて……
これ以上ないくらい気持ちのこもったものだと伝わりました。
綴理
ボクは信じてた。
こいつっ……!
……はあ。 そうね、分かったわ。
綴理
やろうよ、このまま。 150点。
……ん。 これはちゃんと、みんなに伝わる150点なんだしね。
さやか
あ、はは……最後までこんな感じで、すみません。
沙知
いやいや。
あれがあたしの……1番の後輩たちさ。