第6話『対よろ!!!』
PART 7
姫芽 | うおおおおおおお! |
小鈴 | ふわあ……姫芽ちゃん、気合入ってるね……! |
吟子 | うん。 最近迷ってるみたいだったけど、今は……。 |
梢 | 姫芽さん、ステップ早いわ。 もう少し余裕持って。 |
姫芽 | はい、直します! 次、お願いします! |
梢 | そう、その感じ。 すぐ掴んだわね。 さすがだわ。 |
花帆 | お、おかしい……あたし、何度もやってるのに……。 |
吟子 | ま、まあ、まだラブライブ!まで時間はあるから。 |
綴理 | ふむ……? |
さやか | またしっかり集中できるようになったみたいで、良かったですね。 |
綴理 | それはそうかも。 |
小鈴 | よーし、姫芽ちゃんに負けないように頑張るよー! |
姫芽 | 一緒に頑張ろうねっ! |
瑠璃乃 | ひめっち、戻ったね……。 なにかきっかけあったのかな。 |
慈 | ……。 |
姫芽 | お待たせしましたー! |
瑠璃乃 | ん、おつかれさま、ひめっち。 |
慈 | 頑張ってるね。 |
姫芽 | はい~! この前はご心配おかけして、すみませんでした。 でももう大丈夫です~! |
慈 | ん。 とりあえず座って座って。 |
瑠璃乃 | 実際、練習良い感じだよね、ひめっち。 集中できてる気がする! |
姫芽 | あ、そう見えます……? ……なら、良かった……。 |
慈 | んー。 |
瑠璃乃 | めぐちゃん? |
姫芽 | っ……あれ。 これでも、ダメでしたか……? |
慈 | ……確かに、頑張ってると思うよ。 |
慈 | 練習に身が入ってるのもそうだし、 スクールアイドルが好きって気持ちは伝わってくる。 |
姫芽 | え……じゃあ、何がダメなんですか? |
慈 | 何がダメなのかは分からない。 ダメとまでは言ってないよ。 でも……何をしたのかは、聞きたいかな。 |
姫芽 | っ。 |
慈 | ふがいないけど、私たちの作戦はうまくいかなかったわけでしょ? だったらどうやって解決できたのかは、気になるし。 |
姫芽 | それは……。 |
瑠璃乃 | ……あれ、もしかしてひめっち、言いたくないこと、とか……? なんかすごい勢いで気持ちが沈んでる気がするけど……。 |
姫芽 | いえ……言います。 |
姫芽 | だから……ゲーム、やめました。 |
慈 | えっ? |
瑠璃乃 | えええええええ!? |
姫芽 | やっぱり最初から、甘い話なんてなかったんです。 |
姫芽 | せんぱいたちみたいにうまくできないなら、ちゃんと絞らなきゃ。 だから、やめます。 |
瑠璃乃 | ちょ、ちょちょちょ待って待って。 |
慈 | どっちかしかやらないっていうのはナシ、そう言ったじゃん! |
瑠璃乃 | そうだよ! ひめっちにとって一番大事なことでしょ!? |
慈 | ゲームのためにスクールアイドル頑張ってきたのに……! |
瑠璃乃 | なのにそのゲームやめたら本末転倒だよ! |
姫芽 | っ……。 |
瑠璃乃 | そんなことしなくても、まだ他に方法あるかもじゃん! どうしてーー。 |
姫芽 | でも、決めたことなんです。 |
姫芽 | ラブライブ!でめぐちゃんとるりちゃんに、迷惑かけたくない。 それが今、アタシにとっては一番大事なんです。 |
姫芽 | もしも、みらぱ!らしくないというなら、 それはアタシが……アタシ、が……。 |
慈 | 姫芽ちゃん……。 |
瑠璃乃 | ……。 |
瑠璃乃 | ……決意したことなの? もう、揺らがないの? |
姫芽 | はい。 |
瑠璃乃 | じゃあ……。 |
瑠璃乃 | じゃあ、泣かないでよ。 |
姫芽 | え、うそーーえ、やめて、なんで。 こんな、違うんですせんぱい、アタシほんとにもうゲームなんかーー。 |
瑠璃乃 | ……あのさ、ひめっち。 1個、勘違いしてるよ。 |
瑠璃乃 | 今回のこと、全然迷惑だなんて思ってないよ。 |
姫芽 | ……そんなの。 |
瑠璃乃 | ひめっちのおかげで知れたこともたくさんあった。 |
瑠璃乃 | ラブライブ!に勝とうってまっすぐ思えてるのだって、 ひめっちのおかげだもん。 |
瑠璃乃 | 今回のことだって、それだけのことだよ。 |
姫芽 | るりちゃんせんぱい……。 |
慈 | ……今日の姫芽ちゃんは、良かったよ。 |
瑠璃乃 | めぐちゃん、それってどういう……。 |
慈 | だから、このまま行くって意味じゃないよ! ゲームを辞めることで、姫芽ちゃんには確かに変化があった。 |
慈 | その理由が分かれば……たとえ好きがふたつに増えたとしても、 大丈夫なんじゃないかな! |
姫芽 | ! |
瑠璃乃 | そっか……そうだよね! さっすがめぐちゃん! |
姫芽 | 理由……でも、ただ好きなものを絞っただけで。 |
慈 | そう決めつけるには、早いってこと。 まだラブライブ!まで時間があるのに……諦める? |
姫芽 | そ、そんなことは! |
姫芽 | アタシが集中できた理由……好きなものを、絞った以外に……! |
慈 | ゆっくり探していこ。 |
慈 | それに、さ。 ラブライブ!のことだって、本当は気にしなくていいんだよ。 |
姫芽 | えっ……!? |
慈 | それよりも3人で楽しいスクールアイドルを、みんなに届ける方が大事。 それに比べたら、ほんとに大したことないよ! |
姫芽 | めぐちゃんせんぱい……。 |
慈 | だいたいだよ、姫芽ちゃん。 |
慈 | 姫芽ちゃんが好きになったみらくらぱーく!は、 スクールアイドルのために何かを諦めてるようなユニットでしたかってんだ! |
姫芽 | そっか……そっか。 そうですね。 |
姫芽 | アタシは最初から、みらくらぱーく!みたいな スクールアイドルになりたかったんだ……。 |
姫芽 | ずっと楽しそうで、ずっと可愛くて。 |
姫芽 | みらくらぱーく!は、 凹んでたアタシにもすっごく元気をくれた。 |
姫芽 | 元気のない人も元気にしてくれるるりちゃんと、 有り余った元気を楽しいに変えてくれるめぐちゃん…… アタシも、そうなりたかった! |
姫芽 | なのにそんなみらくらぱーく!のアタシが、 好きなものを我慢なんてして良いはずがない! |
姫芽 | 探します、どうして集中できたのか……その本当の理由を! |
瑠璃乃 | ん。 そうだね! それじゃあまずは、どうする? |
慈 | そもそも姫芽ちゃんって、好きって気持ちが人一倍…… 人百倍くらい強いんだよね。 だから折り合いがつかなくなってるわけで。 |
瑠璃乃 | そうだねえ、スクールアイドルも、ゲームも、すっごく大好きで。 |
姫芽 | はい~、それは……あっ! |
瑠璃乃 | ひめっち? |
慈 | 何か気づいた? |
姫芽 | ……めぐちゃんせんぱい、るりちゃんせんぱい! アタシちょっと、死ぬほどゲームしてきます! |
瑠璃乃&慈 | え!? |