第6話『対よろ!!!』
PART 8
姫芽 | 捨てるなんて言って、ごめんね。 |
姫芽 | アタシ、分かったよ。 みんなに教えて貰ってたんだ。 アタシだけは、分かってなかった。 |
姫芽 | アタシは人百倍ゲームが好きで、スクールアイドルが好き。 でも……みんなみたいに分かってなかった。 |
姫芽 | アタシがなんで……あなたのことが大好きなのか。 |
姫芽 | 今、それを知りたい! |
瑠璃乃 | ひめっち、大丈夫かな。 |
慈 | ……大丈夫でしょ。 うん、姫芽ちゃんなら大丈夫。 私は、そう思ってるよ。 |
瑠璃乃 | うん。 |
姫芽 | めぐちゃんせんぱい、るりちゃんせんぱい!! |
瑠璃乃&慈 | ! |
姫芽 | 聞いてください! 分かったんです! |
慈 | な、なんかよく分からないけど、掴んだ!? |
姫芽 | はい! ……アタシ、分かったんです。 昨日はスクールアイドルに集中できた。 |
姫芽 | それは好きなものをひとつに絞ったからだと思ってました。 |
姫芽 | でも違った…… アタシの好きなものは、最初からぜんぶひとつだったんです! |
瑠璃乃 | ……ん? ひとつに絞ったんじゃなくて、ぜんぶひとつ? |
慈 | よく分からないけど、姫芽ちゃんの中ではもう、分かったの? |
姫芽 | はい! だから……今ならお見せできると思うんです! スクールアイドルのステージで、もう一度アタシを見てください! |
姫芽 | そしてーーアタシは胸を張ってエントリーシートが書きたいです! |
慈 | ……いいよね? るりちゃん。 |
瑠璃乃 | ……もちろん。 ひめっちの想い、ぶつけてほしい。 |
姫芽 | はい! 対戦、よろしくお願いします!! |
瑠璃乃 | ……はじまるね、めぐちゃん。 |
慈 | うん……見せてもらおうじゃん、姫芽ちゃんの気持ち! |
瑠璃乃 | ひめっち……頑張って。 |
姫芽 | 皆さん、こんにちはー! みらくらぱーく!の、安養寺 姫芽です!! |
姫芽 | 今日はみなさんと、対戦しにきました! |
姫芽 | あはは、何言ってんだって感じですよね~。 ーーでも! |
姫芽 | アタシにとっては、それがライブなんです! |
姫芽 | みんなと作る……みんなと繋がる、全員巻き込んだ楽しいイベント!! それがアタシの大好きな、アタシがやりたいライブ!! |
姫芽 | みんなに熱を届けて、みんなの想いを受け止める! アタシがなりたいのは、そういうスクールアイドル!! |
姫芽 | さあ……対戦、よろしくお願いします!!! |
姫芽 | 楽しかった~~~~!! |
姫芽 | ……うん、うん。 やり切れた気がする。 |
姫芽 | あ……めぐちゃんせんぱい、るりちゃんせんぱい。 |
慈 | ……見てたよ、姫芽ちゃん。 |
姫芽 | はい! ありがとうございました~! |
姫芽 | ゲーム大会の時と違って、アタシはアタシの全力を出せたと思います。 どうか、裁定のほどを! |
慈 | うん、すっごく良かったよ! |
瑠璃乃 | 良いステージだったよ、ひめっち。 集中してるのもそうだけど、なんていうかひめっちらしかった。 |
姫芽 | あ……。 はい! ありがとうございます! |
慈 | 私もね、ゲームとスクールアイドル、両方の熱があった気がするよ。 ほんとに、良いライブだった! |
瑠璃乃 | 好きなものがひとつっていうのは、どういうことだったの? |
姫芽 | ……アタシが好きなものは、“対人戦”なんです。 |
瑠璃乃 | ……言ってたね、ライブで。 みんなと繋がることが、姫芽ちゃんにとっては対戦だって。 |
姫芽 | はい。 アタシは、ゲームでなら色んな人と繋がれた。 ただのいちプレイヤーとして。 |
姫芽 | ゲームが好きな理由は、そこなんです。 ゲームさえあれば、みんなと遊べる。 |
姫芽 | みらくらぱーく!が好きなのは、みらくらぱーく!と一緒に居ると、 るりちゃんともめぐちゃんとも、一緒にいるみんなとも、遊べるからです。 |
姫芽 | ゲームとスクールアイドルにも、 限らないんです。 |
姫芽 | ギターでセッションしたい、誰かと釣りをしたい、 誰かにお弁当を作ってあげたい……。 |
姫芽 | アタシは最初から、人と繋がれるものが好きだった。 |
姫芽 | だから全部まとめて、アタシが好きなひとつが……対人戦なんです! |
瑠璃乃 | そっか、そっか。 ……対人戦か。 確かに、みらくらぱーく!は世界中のみんなで作る時間だからね! |
瑠璃乃 | ひめっち的には、そうなのかも! |
姫芽 | はい! |
姫芽 | ……めぐちゃんせんぱい。 |
慈 | ん? |
姫芽 | 今回のことを通して、思いました。 |
姫芽 | めぐちゃんせんぱいは、楽しい場所を作ってくれる人です。 るりちゃんせんぱいは、誰かに楽しいを作ってあげられる人です。 |
姫芽 | 世界中を夢中にする、アタシが大好きなみらくらぱーく!……。 |
姫芽 | だからアタシはるりちゃんとめぐちゃんが作りあげた場所を、 誰より盛り上げたい。 |
姫芽 | みらくらぱーく!っていう、最高に楽しい場所で……。 |
姫芽 | 集まった人と繋がる、みんなと対戦する、 そんなスクールアイドルになります! |
慈 | いいじゃん! ひとりすごく楽しんでる人がいると、 その場所ってすっごく楽しそうに見えるから。 |
姫芽 | ぁ……はい! |
姫芽 | めぐちゃんとるりちゃんが、世界中を夢中にするならーー アタシがいっちばん楽しんで、その楽しいをみんなと一緒に繋げる。 |
姫芽 | それができたら……ほんとのほんとに、 みらくらぱーく!は最強のスクールアイドルだと思いませんか? |