第10話『Believe your love. Believe your live』
PART 6
花帆 | じゃーん! |
さやか | かつてのスクールアイドルクラブの部長が遺したスカーフ……ですか。 |
花帆 | うん! 『いまを頑張ることが楽しい』 あたしたち、今までずっとそうやってきたから! |
花帆 | あたしたちもこれ、やろうよ! スカーフに書いて、ステージで身に付けるの! |
姫芽 | いいですね~! こういうの、チームの一体感が高まってとてもいいと思います~! |
梢 | それはいいけれど……私たちは別に、 制服のままステージに立つわけではないでしょう? |
瑠璃乃 | それは確かに……。 |
吟子 | あ! でしたら……あの……。 全国大会に出場する衣装に、リボンをつけませんか? |
綴理 | できるの? |
吟子 | はい。 いくつか考えていた改良案のひとつに、リボンつきのものがあります。 蓮ノ空の制服を参考にしようと思ってて。 |
綴理 | おお~……百万点。 |
吟子 | あ、ありがとうございます。 |
慈 | だったらさ、それにジュエリーアクセサリーをつけたり、できないかな? 実はママが早速、みんなの分の宝石を送ってくれるって言ってて。 |
瑠璃乃 | ほ、宝石!? |
慈 | イミテーションだけどね。 さすがに。 |
瑠璃乃 | よ、よかった。 めぐちゃんがまた散財したのかと……。 |
慈 | 本物の宝石のほうが0.01%でも優勝確率が高くなるんだったら、 それもありかな……。 |
瑠璃乃 | やめよ!? ね!? |
花帆 | ね、どうかな、小鈴ちゃん。 |
花帆 | たぶんこれが、あたしの答え。 |
小鈴 | 花帆先輩……。 |
花帆 | がんばるってつらいことだけど、でも、がんばることが楽しければ…… きっとね、どんなステージだって『楽しい』に変わると思うんだよ。 |
花帆 | ねえ、小鈴ちゃん。 最高のステージが、待ってるんだよ。 みんなに気持ちを、届けようよ! |
小鈴 | 徒町は……。 |
小鈴 | 徒町は、失敗することばかりを恐れていました……。 |
小鈴 | でも今までどんなライブだって、失敗したかったことは、一度もありません! いつだって、全力で……。 |
小鈴 | だから今回も……がんばりたいです! うまくできなくたって! 今の徒町にできることを、精一杯! |
花帆 | できるよ、この9人なら! ううん、この9人だから! |
花帆 | 小鈴ちゃんが『情熱』を、あたしたちにくれた。 |
花帆 | 姫芽ちゃんが『憧れ』を。 |
花帆 | 吟子ちゃんが『愛情』を。 |
花帆 | 瑠璃乃ちゃんが『優しさ』を。 |
花帆 | さやかちゃんが『強さ』を! |
花帆 | 梢センパイと、綴理センパイと、慈センパイが支えていた…… そして、沙知センパイが守ってくれたスクールアイドルクラブに、 こんなにも素敵なものが集まったんだから。 |
花帆 | あとはこの気持ちを、届けるだけだよ! |
梢 | あなたの『笑顔』も一緒に、ね。 |
梢 | それじゃあ、みんな。 ラブライブ!決勝大会まであと少し。 |
梢 | 大切な日々を目いっぱい、楽しんで過ごしましょう。 |
全員 | おー!! |
DOLLCHESTRAのダンス。 | |
みらくらぱーく!の曲作り。 | |
スリーズブーケの衣装作成。 | |
そして全体での中庭での練習が映る。 | |
慈 | いよいよ明日から、ラブライブ!決勝大会に向かうのかあ。 きょうは早めに寝よっと。 |
綴理 | ボクも。 |
梢 | ねえ、ふたりとも。 |
梢 | ひとつだけ、いいかしら。 |
梢&綴理&慈 | ありがとう。 |
梢 | ……あなたたち? |
綴理 | ありがとう、こず、めぐ。 ボクにスクールアイドルを教えてくれて。 |
慈 | ありがと、梢、綴理。 あんたたちが一緒だったから、私の高校生活、楽しかったよ。 |
慈 | で、梢は? |
梢 | ……ありがとう、ふたりとも。 私の……友達に、なってくれて。 |
綴理 | ラブライブ!優勝しよう。 |
慈 | ん。 |
梢 | ええ。 |
セラス | ね。 見て、泉。 |
泉 | これは? |
セラス | 今まであなたがコンテストで戦ってきたスクールアイドルのみんなが、 応援メッセージを送ってくれたの。 |
泉 | へえ……こんなに。 |
泉 | 私にとっては、自分が強くなるための大会。 ただ、それだけのつもりだったんだけどね。 |
セラス | きっと、伝わってたんだよ。 どんな対戦相手にも決して手を抜かず、勝負に敬意を払う泉の態度が。 |
泉 | 面映ゆいね。 |
泉 | ただ、悪くはない気分だ。 |
セラス | ……気になることが、あるとすれば。 |
泉 | うん? |
セラス | 泉のステージを見た花ちゃんは、すっかり自信を失ってるみたいだったけど。 でも、それだけで終わる花ちゃんじゃないから。 |
セラス | きっと乗り越えて、前よりずっとすごいライブを見せてくる。 |
セラス | 昔から、いつもそうだった。 |
セラス | 花ちゃんは落ち込んでも、すぐ明るく笑って、 わたしの手を引いてくれてたから。 |
泉 | ……へえ、ずいぶん信頼しているんだね。 少し、妬けちゃうな。 |
セラス | だから、その上で。 |
セラス | 勝つのは、わたしの泉だよ、 そうでしょう? |
泉 | ああ。 |
セラス | 瑞河のお姉さんたちが目指した……夢に見たラブライブ!の舞台。 こんな形で来ることになるとは思わなかったな。 |
泉 | ほう、以前にも瑞河は挑戦したことがあるんだね。 その時の結果は? |
セラス | 決勝大会には出られなかったよ。 あの時はわたしも泣いたなあ。 |
泉 | ならば私はその夢も預かろう。 |
泉 | あなたが私に夢を託してくれる限り、私は飛ぶよ。 どこまでも。 それが私の存在理由なんだから。 |
セラス | うん……。 行こ、最高の舞台へ。 |
泉 | 最高の舞台へ。 |