PART 0
『A NEW STORY!!!!!!+』
花帆 | では、これより蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブによる、 105期第一回目のミーティングを始めます! |
花帆 | 改めまして……部長の、日野下花帆です! |
吟子 | いつの間にそんなの作ったの……。 |
花帆 | フフン、いいでしょー! |
花帆 | さやかちゃんの分も作ったんだ~。 さやかちゃんはつけてくれてないけど! |
小鈴 | 花帆ぶちょう~! |
花帆 | えっへん。 |
姫芽 | かわいいですね~。 |
花帆 | それはちょっと違うよ、姫芽ちゃん! |
姫芽 | 違いましたか~。 |
花帆 | なんたってあたしは今年、次の夢に向かうチャレンジャーなんだから! |
花帆 | スクールアイドルクラブの次の夢…… それは『みんなが花咲ける場所を作る』こと! |
花帆 | そのためにあたしは、一年間全力を尽くすことを、ここに誓います! 日野下 花帆! |
小鈴 | ぱちぱちぱち~! |
吟子 | 三年生になっても、騒がしいなあ……。 |
姫芽 | かわいいよねえ、かほせんぱい。 |
吟子 | えぇ? どうしちゃったの姫芽。 |
姫芽 | や~。 こう、薄目で見ると、 だんだんかほせんぱいがめぐちゃんせんぱいに見えて……。 |
吟子 | こないでしょ! |
花帆 | というわけでね。 吟子ちゃん、小鈴ちゃん、姫芽ちゃん。 |
花帆 | あたしは、今年度最初のFes×LIVEで、夢への第一歩を示したいんだ。 105期のスクールアイドルクラブは、こんなにすごいんだぞ! っていう。 |
花帆 | あたしたちが『ラブライブ!に出ません!』って宣言したことで、 たぶん、いろんな人たちが心配してると思うから。 |
花帆 | 大丈夫だよ! だから応援してね! って。 |
小鈴 | すごいです! なにをするんですか? |
花帆 | 新曲を作っちゃうよ! なんとユニットごとに! |
小鈴 | おお……! |
花帆 | その他にも、あっと驚くようなことが、目白押し! |
小鈴 | それはいったい……!? |
花帆 | ……具体的なアイディアは、募集中、だよ! |
小鈴 | つまりこれからみんなで考えるということが夢への第一歩を示すための 第一歩というわけですね! |
花帆 | そう! 第一歩のための第一歩のための第一歩を、みんなで踏み出そうね! |
吟子 | 一歩が多い……。 ……まあ、そのこと自体は、いいと思うんですけど。 |
花帆 | ありがと、吟子ちゃん! |
吟子 | 話の続きがあるの! |
吟子 | 改めて……小鈴と姫芽は、どう思ってるのかな、って。 |
姫芽 | アタシたち~? |
吟子 | うん。 花帆先輩の夢に対して。 |
吟子 | ていうか、ラブライブ!に出ないことに関して、かな。 特に姫芽は……本当に、いいの? |
姫芽 | ん~。 |
さやか | た、大変です! 花帆さん! |
花帆 | あっ、さやかちゃん! やっぱり髪型似合ってるね! 大人っぽい! きれい! |
さやか | あ、ありがとうございます……。 |
瑠璃乃 | マジでちょー似合うよね! |
小鈴 | はい、とてもおきれいです! 誰よりも! |
瑠璃乃 | という話をしてる場合ではなく! |
さやか | そ、そうなんですよ! |
さやか | 実は……。 |
さやか | 今年の新入部員はゼロ人、かもしれません……! |
花帆&小鈴 | えっ、えええええええええ!? |
花帆 | どういうこと!? |
瑠璃乃 | ルリとさやかちゃんで、 新入生部活説明会の準備をしてたんだけど……。 |
さやか | そのとき、新入生たちのお喋りが聞こえてきて……。 |
瑠璃乃 | 蓮ノ空に行こうと思ってた友達が、今年はラブライブ!に出ないらしいから、 急遽別の学校に転入した、って……。 |
花帆 | え、えええええ……。 |
さやか | それで、瑠璃乃さんと新入生の方々にお話を伺ってみたんですが……。 スクールアイドル志望の子は、みなさん、もう別の学校に行かれたと……。 |
吟子 | そんな……。 |
小鈴 | ふ、ふふ……。 |
さやか | こ、小鈴さん……!? |
小鈴 | 徒町、今年からついに先輩になれると思ってましたが…… そういうことも、ありますよね……。 |
姫芽 | うわ。 ガチ凹みだ~。 |
小鈴 | やはり所詮徒町では、新人指導など夢のまた夢……。 来年こそは、新人が入ってくることを願いましょう……。 |
小鈴 | 先輩チャレンジも、来年までのお預け、です……。 ちぇ、すと……。 |
花帆 | あわわわわ……。 |
花帆 | あ、あたしが!! |
瑠璃乃 | か、花帆ちゃん? |
花帆 | 声をかけてくるね! |
さやか | いったいなにを……? |
花帆 | スクールアイドルやりませんかって! 新入生、全員に! |
瑠璃乃 | ええっ!? |
花帆 | 今年のスクールアイドルクラブだって、すごいんだよ、って! たぶん! そうなる予定だから! |
花帆 | きっと、気になってるけど、入りづらいなーって人もいるかもだし! ちゃんと説明すれば、わかってくれると思う! |
花帆 | 行ってきまーす! |
さやか | ああっ! む、無茶ですよ! |
瑠璃乃 | 行っちゃった……。 |
吟子 | ……あれはあれで、責任感じてるんですね……。 |
姫芽 | どうなりますかねえ……。 |
小鈴 | ふ、ふふふ……。 先輩……小鈴先輩……。 |
小鈴 | 遠い、夢……。 はかない夢でした……。 |
花帆 | では、これより蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブによる、 105期第一回緊急ミーティングを始めます……。 |
花帆 | 新入部員が、いません……。 以上です……。 |
瑠璃乃 | ほんとに全員に声かけたの……? |
さやか | はい……。 寮の、一年生の各部屋を回って……。 |
姫芽 | ははぁ~。 |
瑠璃乃 | ……全滅? |
さやか | 全滅です。 |
花帆 | たくさん『応援します』って言ってもらっちゃった……。 わぁい……。 |
さやか | そもそも、一芸入試で入ってきた方は、 基本的には目当ての部活がありますからね……。 |
さやか | わたしや姫芽さんが異例だっただけで……。 |
瑠璃乃 | それでも、粘り強く勧誘すれば、 入ってくれる人はいるかもだろうけど……。 |
吟子 | 厳しい言い方にはなりますが、その気のない人を無理に誘っても、 意味はありませんよね……。 |
瑠璃乃 | うん……。 |
さやか | 本当に、どうしましょうね……。 |
花帆 | ……この責任は、あたしが取ります……。 |
さやか | か、花帆さん? |
花帆 | みなさん……お世話になりました……。 あとはお願いします、さやか部長……。 |
さやか | 待ってください! ふたりで部長がんばろうって決めたじゃないですか! |
花帆 | でも、あたしのせいで……。 |
小鈴 | そ、そんなことないですよ! |
小鈴 | 花帆先輩! 徒町はぜんぜん、後悔なんてしてないです! 花帆先輩の夢、すばらしいと思いました! |
小鈴 | 徒町は、今までずっと花帆先輩とシンパシー感じてて。 だから、感動したんです! |
小鈴 | 梢大先輩の背を追うだけじゃなくて、 自分でも新しい夢を掴もうと思った花帆先輩のことを! |
小鈴 | 花帆先輩はすごいです! ですから、ぜんぜん、その、いいんです! 花帆先輩は、そのままで! |
花帆 | 小鈴ちゃん……。 |
小鈴 | なんだったら、徒町が105期生のつもりで新入部員やりますから! 留年しろと言うなら、がんばって留年してみせます! |
吟子 | もう進級したのに! |
小鈴 | 吟子先輩よろしくお願いします! ちぇすとー! |
吟子 | 似合うけど! |
姫芽 | まあまあ、かほせんぱい~。 みんなで決めたことじゃないですか~。 アタシたち誰もかほせんぱいのせいだなんて、思ってませんよ~。 |
花帆 | うっ、ううう。 |
さやか | とりあえず、まあ、決めましたからね。 |
瑠璃乃 | だね。 花帆ちゃんと一緒に、新しい夢を追う、って。 |
花帆 | みんなぁ~~……。 |
吟子 | まったく……。 先が思いやられるんだから……。 |
瑠璃乃 | でもジッサイ、どーしよーねー。 |
さやか | うーん……。 |
姫芽 | およ……? |
小鈴 | 姫芽ちゃん? |
姫芽 | や、今なんか、誰か~……。 |
花帆 | ……? |
??? | こんこ~ん。 |
??? | ここが、スクールアイドルクラブの部室で、間違いないかな? |
花帆&さやか&瑠璃乃&吟子&小鈴&姫芽 | ! |
花帆 | 泉さん……! せっちゃん……!? |
セラス | ごきげんよう、だよ。 |
泉 | 入部希望2名だけれど……いいかな? |
小鈴 | しーー。 |
花帆&さやか&瑠璃乃&吟子&小鈴&姫芽 | 新入部員だあー!/新入部員です!/新入部員……!?/新入部員だ~! |
泉 | 改めて、よろしく。 桂城 泉。 蓮ノ空女学院二年生だ。 |
セラス | セラスだよ。 よろしくね。 |
さやか | 瑞河のおふたりが、なぜここに……!? |
セラス | かけつけてきました。 |
泉 | 力になれることがあるかもしれないと、思ってね。 |
さやか | しかし、少なくともセラスさんは新入生の中にいなかったはず……。 ……は、まさか、あの張り紙……!? |
瑠璃乃 | えっ、なになに? |
さやか | いえ、新入生の部屋にひとつだけ『ここは空き部屋です』 と張り紙があって……なので、そこは飛ばして、部屋を回ったわけですが。 |
セラス | わたしが貼りました。 |
瑠璃乃 | なぜ!? |
セラス | 新入生を片っ端からスクールアイドルクラブに勧誘してる先輩がいると聞いて、 花ちゃんだ、って思って。 |
セラス | ……勧誘されるより、自分の足で来たかったので……。 |
瑠璃乃 | 居留守までして……! |
姫芽 | いや~、地獄に仏ですね~。 |
小鈴 | あわわ、新入部員……! 新入部員が……! |
セラス | は、小鈴先輩。 じゃくはいものですが、よろしくおねがいします。 |
小鈴 | 先輩……徒町が、先輩……!! |
小鈴 | ありがとうございます! 徒町小鈴です! ありがとうございます! どうぞよろしくお願いします! 徒町小鈴です! |
吟子 | ともあれ、これで105期生ゼロ人の事態は、免れられそうですね……。 |
瑠璃乃 | よかったねえ、花帆ちゃん。 |
花帆 | ……はっ。 |
花帆 | で、でも、いいの!? |
花帆 | 今年スクールアイドルクラブは、ラブライブ!に出るつもりはなくて、 そうじゃない夢を追いかけようとしてて……。 |
セラス | 花ちゃんの新しい夢、わたしたちも聞いたよ。 むしろね、聞いたからなおさら、蓮ノ空を選んでよかった、って思ったんだ。 |
セラス | だってそれは、わたしが花ちゃんとスクールアイドルクラブのみんなに、 してもらったことなんだから。 |
セラス | だったら、今度はわたしたちが花ちゃんの力になる番。 |
泉 | 私は、またあなたたちが面白いことをするんじゃないかって、 半分は興味本位だけれどね。 |
泉 | もし実力が不安なら、入部テストとかしてみるかい? なんでもいいよ。 |
姫芽 | うわ~、ドヤ顔だ~。 |
セラス | ね、花ちゃん。 それとも……迷惑だった? |
花帆 | そ、そんなわけないよ! |
花帆 | 急だから、すごくびっくりしただけ。 |
花帆 | すごく嬉しい。 ありがとう、せっちゃん! 泉さん! |
花帆 | 改めて歓迎するよ! 蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブに、ようこそ! |