第9話『ALL Link to YOU』
PART 5
- 吟子
おはようございます。
- お手伝いのスクールアイドル
おはようございます。
- お手伝いのスクールアイドル
会場の壁にかかってる、あの布。
- 吟子
え?
- お手伝いのスクールアイドル
ちょっとずつ、書き込みが増えてきましたね。
- 吟子
……ああ、そうですね。
- お手伝いのスクールアイドル
あれって……。
- 吟子
花帆先輩が飾ったものです。
- 吟子
あの布を書き込みでいっぱいにするのが、私たちの今の目標です。
『目指せ、花丸大成功』と、花帆先輩はそう言ってました。 - お手伝いのスクールアイドル
花丸大成功……。 そうですか。
- 吟子
では、本日もよろしくお願いします。
- お手伝いのスクールアイドル
はい。
- 吟子
ん、ん……。
- 吟子
『ぴんぽんぱんぽーん。 ええと……
それでは、本日も一日、がんばりましょう!』 - コメント
点描
- コメント
泉と一緒に展示館の設営を行っているセラス。
- コメント
机に向かって事務処理を行っている吟子と、その吟子の隣で頭を悩ませながらメールを書いている小鈴。
- コメント
きょうも屋外で皆に練習の指導をしているさやかと、その隣に立つつかさ。さやかがつかさを紹介し、つかさが苦笑いしながら『いやー、ダンスのことぐらいだったら教えられるかもだけど、あんまりあてにしないでねー』という顔をしている。
- コメント
お悩み相談の受付をしている姫芽と、その横で列整理を行っている広実。ふたりが気づいて手を振る。笑顔で手を振り返す瑠璃乃。瑠璃乃はそのまま、どこかへ向かって走ってゆく。
- 花帆
ええっ!?
あたしたちスリーズブーケと一緒にステージに立ちたい、の……!? - スクールアイドルA
はい! 8月のスクールアイドル合宿でもよくしてもらいましたし!
その前からも、ずっとずっと憧れてて! - 花帆
しかも、こんなにたくさん……!?
- スクールアイドルB
お願いします!
どうしても『笑顔の天才』の花帆先輩と、一緒がいいんです! - 花帆
あたし、そんな風に言われてるの!?
- 花帆
う、うん、わかった!
ステージをもうちょっと大きくしてもらうように、お願いするね! - 花帆
みんなで一緒に、ステージの上でも繋がろうね!
- スクールアイドルA&スクールアイドルB
わあー!
- スクールアイドルB
はい! はいはい!
だったらせっかくなので、同じ衣装を着たいです! - スクールアイドルA
えー!? それ最高すぎー!
- 花帆
い、衣装も……! ちょっと待ってね!
- コメント
花帆に呼び出されて、吟子が現れる。花帆、吟子にコソコソと相談。
- 吟子
え……何人いるんですか……。
- 花帆
46人!
- 吟子
そんなに………………?
- 吟子
ちょっと待って……。 Starring Bloomまでに私たちと合わせて
48人分の衣装を作るってことは…………。 - 吟子
い、一日が100時間あっても足りない…………。
- 花帆
あたしの時間もあげるから! ぜんぶ使って!
- 吟子
う、うん……いやそれどうやるん!?
- 花帆
あ、だったら!
- 花帆
ねえ、みんな!
みんなでお揃いのライブTシャツを作るのはどうかな!? - スクールアイドルA
ライブ……。
- スクールアイドルB
Tシャツ……。
- スクールアイドルA&B
それすっごくいいです! かっこいい!
- 花帆
やったっ!
- 花帆
これならプリントするだけで作れるよ!
- 吟子
そ、そうだね……。
- 吟子
でもそれにしたって、一からデザインはしなきゃで……
きょう帰ったら早速、デザイン画を用意して……。 - 吟子
Tシャツを印刷してくれるお店も、探さなきゃ……!
- 吟子祖母
それならね、そういうことやっとる知り合いがおるよ。
- 吟子
おばあちゃん!?
- 吟子祖母
がんばっとるね、吟子、花帆さん。
- 花帆
あ、おばあちゃん! 来てくれたんだ!
- 吟子祖母
もちろんやわいね。 『その覚悟はあるか?』なんて、
いっちょまえな口叩かれて、家で寝とるわけにはいかんからね。 - 吟子
うっ……まだ言う……。
- 吟子祖母
吟子。
帰ったらなんて言わんと、今からデザインするよ。 ほら、ついてこんか。 - 吟子
あ……うんっ!
- 吟子
では、あの! 最高のライブTシャツを作ってみせますので、
楽しみにしててください! - 吟子
みなさんが花咲けるように、精一杯がんばりますからね!
- スクールアイドルA&スクールアイドルB
ありがとうございます!!
- 花帆
……ふふっ、吟子ちゃん。
- 花帆
かっこいい。
もうすっかり、スクールアイドルクラブを引っ張っていけるね。 - 花帆
よっし……!
あたしも、もっともっとがんばるぞ! - 瑠璃乃
え……!? ステージは出なくて、いいの!?
- スクールアイドルC
はい……。
それより……! - スクールアイドルC
誰かに、わたしの作った歌を、歌ってほしいんです!
- 瑠璃乃
そのパターンもあるんだ!?
- スクールアイドルC
この広いステージで、
わたしの作った歌を歌ってくれるスクールアイドルがいてくれたら……。 - スクールアイドルC
わたしのこれまでの3年間が、報われるんです……。
- スクールアイドルC
誰にも歌ってもらえなかった歌を作り続けてきた、わたしの3年間が……!
- 瑠璃乃
な、なるほどねぇ……!
- 瑠璃乃
ちなみに……その音楽データとかあったり、する?
- スクールアイドルC
はい、こちらに!
あ、でも、ぜんぶインストしかなくて……。 - 瑠璃乃
自分でも歌ったことないんだ!?
- スクールアイドルC
スクールアイドルになれば誰かに歌ってもらえると思ったのに、
3年間で誰も入部してくれなかったんです!! - 瑠璃乃
んんん~~~……よっしゃ!
このルリが、なんとかしてみせるよ! - 瑠璃乃
というわけで、ものすごく無茶なお願いなんだけど……!
- 姫芽
今から覚えて、アタシたちが仮歌のデモ音源を作ればいいんですね~。
- 小鈴
わかりました! 何曲あるんですか!?
- 瑠璃乃
100曲……。
- 小鈴
いちじゅうひゃく……!?
- 姫芽
わ~。 がんばったな~……。
- 瑠璃乃
あ、でもぜんぶ歌わなくてもいいと思うよ!?
その中の一曲でも誰かが歌ってくれればいいって言ってたから! - 小鈴
……瑠璃乃先輩。
- 姫芽
あ。
- 小鈴
徒町は思うんです。
歌わなくていい歌なんて、ないんだって……! - 瑠璃乃
でも100あるよ!?
- 小鈴
いいえ。
33曲と1曲です。 - 姫芽
三等分か~。
- 瑠璃乃
……そう、だね……!
- 瑠璃乃
わかった。
小鈴ちゃんが覚悟決まってるんだったら、ルリはもうなにも言わない。 - 瑠璃乃
3人で分担して100曲のデモ音源を作って、会場に流そう!
そうして、気に入ってくれた人に、歌ってもらうとしよう! - 小鈴
それでこそ瑠璃乃先輩です!
- 小鈴
徒町は蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブに所属できたことを、
誇りに思います! - 瑠璃乃
がんばるぞ~!
- 瑠璃乃&小鈴
ちぇすと~~!
- 姫芽
……いや、小鈴ちゃんとるりちゃんせんぱいに歌ってもらったら、
それだけで夢叶ってるんじゃ?? - さやか
はい、そこまでです。
集まってください。 - さやか
みなさん、お疲れ様です。
この期間、よくがんばりましたね。 - さやか
本当に……見違えるほど、レベルアップしました。
これならきっと、みなさんの理想のステージが、叶うはずです。 - スクールアイドルA&B&C
ーー!
- セラス
ふ、ふふ……。
や、やるじゃん、さやか先輩の指導についてくるなんて……。 - セラス
でも、当日は負けないからね!
- さやか
セラスさんも、お疲れさまでしたね。
途中から練習に参加してきたときには、なぜ……?と思いましたが。 - セラス
さやか先輩。 『今よりもっと上手くなりたい』。
そう願わないスクールアイドルは、この世界にひとりもいないんですよ。 - さやか
そうですね……そうですか?
- セラス
実は……8月の合宿で、友達ができまして。
- セラス
さっき張り合ってた子なんですけど……
その子が、言ってくれたんです。 - セラス
わたしと一緒に作った歌を、もっと上手に歌いたいから……
だから、わたしにもう一度力を貸してほしい、って。 - さやか
……なるほど。
- さやか
そうですね。 自分たちで作った歌だからこそ、上手に歌いたい。
その気持ちは、よくわかります。 - さやか
ありがとうございます、セラスさん。
- セラス
えへへ……。
わたしもこれで、少しはみなさんのお役に立てましたか。 - さやか
なに言っているんですか。
そんなの、最初からそうですよ。 - さやか
たったひとりの一年生として、歌もダンスもそれ以外も、
本当にずっとがんばってくれていますよ、セラスさんは。 - さやか
全員にとって、なによりも誇らしい後輩です。
- 花帆
さやかちゃーん!
- 瑠璃乃
あれ、練習終わった?
- さやか
おや……お手伝いに来てくださったんですか?
- 花帆
んー、それもあるけど!
- 瑠璃乃
一瞬だけ手が空いたから、ルリたちも練習したいな、って思って。
- 瑠璃乃
準備は準備。
それはそれとして、新曲だって仕上げたいからねー。 - 花帆
うんうん! あたしたちStarring Bloomのステージの、トリを務めるんだもん!
これが蓮ノ空だーって、思ってもらいたいし! - さやか
……ふふ、それはそうですね。
- 姫芽
おや~?
- 泉
考えることはみんな同じ、ってことだね。
- 吟子
だね。
- 小鈴
徒町もたちまち来ました!
- 瑠璃乃
お、蓮ノ小四辺形。
- 吟子
え、定着したの? その名前……。
- 泉
仲間に入れてもらえて、嬉しいなあ。
- セラス
わたしはわたしはわたしは?
- 泉
なにか考えてあげようか?
北極星とか。 - セラス
結局ひとりじゃん! やだー!
- さやか
オンリーワン ヤナギダ スター……。
- 瑠璃乃
ダサい!
- 姫芽
せらりんも、いつかステキな名前がつくといいね~。
- 小鈴
ごめんねセラスちゃん。 留年してあげられなくて……。
- セラス
あっ、いや、
小鈴先輩に申し訳がられるとわたしのほうこそ申し訳なく、あっ、あっ。 - 花帆
……ふふふっ。
- スクールアイドルD
あの……。
- 花帆
うん?
- スクールアイドルD
……ありがとうございますっ……!
- 花帆
え、なになに?
- スクールアイドルD
Starring Bloomを、開いてくださって。
- 花帆
……それって?
- スクールアイドルD
あたしたちの部、今年のラブライブ!、予選で負けちゃって。
- 全員
ーー。
- スクールアイドルD
それで、三年生の先輩も、みんな引退になっちゃって……。
もう、これで今年は終わりなんだって、すごく悲しくて……。 - 花帆
……。
- スクールアイドルD
でも! 金沢で、誰でも花咲ける、
誰でも主役になれるステージがあるって聞いて! - スクールアイドルD
それで、みんなでやってきたんです!
- スクールアイドルD
だから、本当に、ありがとうございます!
あたしたちがまだ一緒に居られる場所を、作ってくださって! - 花帆
うん……ありがとう。
その言葉が聞けて、あたしもすごく、嬉しいよ。 - スクールアイドルD
あの、3月には、これよりもっと大きなステージが、あるんですよね?
- スクールアイドルD
まだみんなとステージに立てるなんて……。
ほんとに……夢みたいで……。 - スクールアイドルD
だから、それだけ伝えたくて! 本当に本当に、ありがとうございました!!
- 泉
……そうか。
他の学校には、蓮ノ空のような蓮華祭がないから。 - 姫芽
ラブライブ!が終わったら引退、かあ……。
- 小鈴
でも、よかったですね!
- 吟子
うん……よかった。
Bloom Garden Partyを開く意味は、間違いなくあったんだ。 - 花帆
…………。
- さやか
……花帆さん?
- 花帆
あ……うん。
- 瑠璃乃
……ふふっ、かーほちゃん。
- 花帆
あっ、ちがくて、これは……!
- さやか
いいじゃないですか、今さら隠さなくったって。
- 瑠璃乃
そうそう。
嬉しくったって、泣いていいんだよ。 - 花帆
……ううん!
- 花帆
だってこのStarring Bloomは、みんなが笑顔になれるステージなんだから!
あたしがいちばん、笑顔でいなくっちゃ! - 花帆
だから、これは。
- 花帆
目に汗が入った、だけだもん。
- お手伝いのスクールアイドル
ラブライブ!……。
……日野下、花帆。