第9話『ALL Link to YOU』

PART 7

112 セリフ11 人物
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  1. 花帆

    ぴんぽんぱんぽーん!
    日野下花帆です! フラワー!

  2. コメント

    直前の点描シーンから数日後です。(その間に、様々な関係者各所と打ち合わせをした、というイメージです)

  3. コメント

    館内にアナウンスが流れる。作業中の広実が映し出される。(リアクション要員)

  4. 花帆

    きょうは、すごく大事なお話があります!
    みなさん、ちょっとだけ手を止めて、聞いてください!

  5. コメント

    作業中の広実が手を止めて、顔を上げる。

  6. 広実

    ん……?

  7. 花帆

    あたしたちは『すべての人が花咲くためのステージ』を作りたくて、
    このBloom Garden Partyを始めました。

  8. 花帆

    でも、みんなの願いを聞いてるうちに、
    今のままじゃだめだって、そう思ったんです。

  9. 花帆

    どうにかしたくて、たくさんの人たちと話し合いました。
    いろんな案が出ましたが、決め手は9月に開催したイベント、
    Bloom Daysでした。

  10. 花帆

    あのときは、Bloom Daysをより大きく盛り上げるために、
    金沢の街の人たちが立ち上がって、開催期間を延長してくれました。
    それと同じことをもう一度、このイベントでやろうと思うんです!

  11. 花帆

    あたしたちの声に、今度は金沢の街の人たちが、応えてくれました。
    だから、決めました!

  12. 花帆

    それはーーこのStarring Bloomの、開催期間の延長です!!

  13. 広実

    …………はあ!?!?

  14. コメント

    ここで、カメラが花帆に戻ってくる。

  15. コメント

    マイクに向けて、情熱的に演説する花帆。

  16. 花帆

    あたしたちは、Starring Bloomの夢の形を、変えようと思います。

  17. 花帆

    Starring Bloomと、そしてこの後に始まるBloom Garden Partyは、
    開催期間を延長して……そして!

  18. 花帆

    大きなお花を咲かせるんじゃなくて、
    たくさんのステージを、お花畑を作るんです!

  19. 花帆

    どんな夢だって叶えられるように!
    ひとりひとりが花咲けるように!

  20. コメント

    ここで、病院で配信を見ているスクールアイドルのリアクションを映す。

  21. スクールアイドルD

    え……?

  22. 花帆

    スケジュールの都合がつかなかった人も、怪我しちゃった人も、
    ステージが使えなかった人も、みんながみんな、花咲けるように!

  23. 花帆

    この金沢で、必ずみんなを花咲かせてみせます!

  24. コメント

    花帆に戻って。

  25. 花帆

    あたしの夢は、『すべての人が花咲くステージ』を作ること……。
    だったら!

  26. 花帆

    夢の形にこだわる必要なんて、なかったんです!

  27. 花帆

    ひとりひとりが花咲くステージを作る。
    ひとつのステージだけでうまくいかなければ、何度でもステージを作る。

  28. 花帆

    もし、集まってくれたすべての人の夢が、ぜんぶ違う形なら!
    それと同じ数だけのお花畑を、作ってみせます!

  29. 花帆

    それが、あたしたちの夢なんです!!

  30. コメント

    各地に飛んで、リアクション。

  31. 広実

    ってことは……。

  32. 広実の友達

    トロッコ……使えるってこと!?

  33. コメント

    空映す

  34. 社会人のお姉さん

    ねえねえ!? 今!
    ……えっ、配信されてる!? 見てた!?

  35. 社会人のお姉さん

    私たち、同じステージに立てるよ!

  36. コメント

    そこでカメラが、客席に立っている瑠璃乃とさやかに映る。

  37. コメント

    ふたりは、花帆の思い付きを手伝ったふたりなので、『こんな、あたしの急な思いつきに~』のセリフに合わせて、お互い、肘で突っつき合ったりして、「いやーがんばりましたなぁ」と笑顔で、じゃれている。

  38. 花帆

    ……こんな、あたしの急な思いつきに勇気をくれたみんな……。

  39. コメント

    ここで、カメラが花帆に戻ってくる。クライマックスの盛り上がりに向けて、真剣に演説している花帆が画面に映る。

  40. 花帆

    そして、この夢に賛成してくれたみなさん……。
    本当に、ありがとうございます。

  41. 花帆

    改めて、言うね。

  42. 花帆

    みんな! このStarring Bloomのステージで!
    『繋がる力』で!

  43. 花帆

    みんなで一緒に、花咲こうね!!

  44. コメント

    会場がぜんぶ、拍手に包まれる。

  45. コメント

    完結!! ハッピーエンド!!!

  46. コメント

    そんな花帆の笑顔を見つめている女がいた。

  47. お手伝いのスクールアイドル

    ……日野下、花帆……。
    やっぱり、また……!

  48. コメント

    最後まで準備に残っていた花帆が、ひとり帰ろうとしている場面。

  49. コメント

    他の蓮ノ空メンバーを「先に帰っていいよ」と帰らせ、期間延長に伴って発生した、様々な人たちとの打ち合わせを、残って続けていた、という設定。(※本文には登場せず)

  50. 花帆

    わ……。 ……遅くなっちゃった。

  51. 花帆

    でも、うん……。

  52. 花帆

    よかった……。 これで、ようやく……。
    すべての人を花咲かせたって、言えるんだ……。

  53. コメント

    ひとりうなずいて、今回のイベントの手ごたえを実感する。

  54. コメント

    花帆、相好を崩す。

  55. 花帆

    えへへ……。
    あたしってほんとに、幸せだな……。

  56. 花帆

    夢を、叶えられるんだ……。

  57. コメント

    そこに、ひとりのスクールアイドルが立ちはだかる。

  58. お手伝いのスクールアイドル

    待って。

  59. 花帆

    えっと……。 あ、最初に声をかけてくれた子、だよね!
    先輩と同じステージに立ちたくて、来てくれた。

  60. お手伝いのスクールアイドル

    ……いい、演説だったね。

  61. 花帆

    あはは……。 ありがと。

  62. コメント

    照れた笑みを浮かべてる花帆。

  63. コメント

    だがそこで、つぐみの口調が鋭いものに変わる。

  64. お手伝いのスクールアイドル

    『繋がる力』。
    ーーそれでまたあなたは、自分たちの願いだけを、叶えるつもりなんだ。

  65. 花帆

    え?
    それは、どういう意味……?

  66. お手伝いのスクールアイドル

    私を覚えてない? 日野下花帆。

  67. お手伝いのスクールアイドル

    そうでしょうね。
    あなたたちには、私なんて見えてなかった。

  68. お手伝いのスクールアイドル

    私は、新潟県立晴里高校のスクールアイドル。

  69. お手伝いのスクールアイドル

    2年連続でラブライブ!北陸予選を敗退したーー。
    ーーあなたたち蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブに夢を奪われた、
    スクールアイドルだよ。

  70. 花帆

    ーー。

  71. お手伝いのスクールアイドル

    私たちの願いは、もう二度と叶わない。
    言いたかったのはそれだけ。 じゃあね。

  72. 花帆

    ーーま、待って!

  73. 花帆

    あの、えっと……! でも、あたしたちは……!

  74. お手伝いのスクールアイドル

    ……そういう、強引で、思いつきで喋るところ、いつもうんざりしてた。

  75. 花帆

    ね、せめて話を! 話をしよ……!?

  76. 花帆

    あたしたちの想いを聞いて、あなたの想いを、
    聞かせてもらったら……そうしたら、きっと!

  77. お手伝いのスクールアイドル

    そうしたら、なに?

  78. お手伝いのスクールアイドル

    あなたと“繋がった”ら、時間が巻き戻るの?
    私たちが叶えられなかったラブライブ!優勝の夢を、もう一度叶えられるの?

  79. 花帆

    それは、できないけど……!

  80. お手伝いのスクールアイドル

    だったら余計なことは言わないでよ!
    踏みにじられた花のこと、少しも気にしたことなんてないくせに!

  81. 花帆

    っ!

  82. お手伝いのスクールアイドル

    ラブライブ!決勝大会は、私たちにとっても、夢のステージだった!
    それを、あんな風に署名を集めて、反対意見を封じ込めて!
    贔屓した友達を、無理矢理ステージにあげた!

  83. お手伝いのスクールアイドル

    あんたたちは、私たちの夢を潰しただけじゃなくて!
    その夢を、嘲笑ったんだ!

  84. 花帆

    そんな……!

  85. お手伝いのスクールアイドル

    なにが『繋がる力』だ!
    そんなのーーあんたが、自分の願いを叶えるためだけの道具じゃないか!

  86. お手伝いのスクールアイドル

    このイベントで何万人が、何十万人があんたたちに感謝しても!
    あたしだけは絶対に、許さないから!

  87. 花帆

    あ、あ……。

  88. コメント

    あまりのショックに、うつむく花帆。

  89. 花帆

    踏みにじられた、花……。

  90. 花帆

    あたしは…………あたしは……。

  91. コメント

    ひとり、さまよい歩く花帆。

  92. コメント

    どこをどう歩いて学校に帰ってきたのかも、覚えていない。頭の中には、何度もつぐみの声が響いていた。

  93. 花帆

    ……。

  94. 花帆

    あたしたちが、奪った、夢……。

  95. 花帆

    二度と叶えられない、夢を……あたしが、嘲笑った……?

  96. 花帆

    そんなのって……。

  97. コメント

    人気のないところへとふらふらと歩いていって、気づけば、大倉庫にまでやってくる。

  98. 花帆

    ……。

  99. 花帆

    あたしは……。

  100. 花帆

    あの子に、なにも言えなかった……。

  101. 花帆

    ーー。

  102. コメント

    回想始め

  103. コメント

    署名集めに、各地を奔走していたときの記憶を思い出す花帆。

  104. 花帆

    あの、署名お願いします!
    どうしても、ステージにあげて……夢を叶えたい人が、いるんです!

  105. 花帆

    『繋がる力』で、その願いを、叶えてあげたいんです!

  106. コメント

    回想。

  107. コメント

    ラブライブ!優勝を仲間たちと目指した、あの輝かしい日々を思い出す花帆。

  108. 花帆

    ……あのとき。

  109. 花帆

    協力してくれない人も、たくさんいて……。
    署名に書いてもらった反対意見だって、ぜんぶしっかりと読んで……。

  110. 花帆

    あたしはちゃんと、
    ひとりひとりの意見に向き合ってた、つもりだったのに……。

  111. 花帆

    ほんとは、ぜんぜん……向き合えてなんて、なかったんだ……。

  112. 花帆

    だって……。

  113. 花帆

    だって!
    あの子も……泣いてた……!

  114. 花帆

    こんなあたしが……誰かの願いを叶える資格なんて……っ!

  115. コメント

    回想。

  116. コメント

    ラブライブ!優勝を仲間たちと目指した、あの輝かしい日々を思い出す花帆。

  117. 一緒に、夢を信じてくれる……?

  118. 花帆

    もちろんです!

  119. コメント

    花帆は涙を拭って、両手を広げて梢に告げる。

  120. 花帆

    あたしたちでーー夢を叶えましょう!

  121. コメント

    顔をあげる花帆。

  122. 花帆

    あ…………。

  123. コメント

    大倉庫のガラス棚に、優勝旗を持って満面の笑みを浮かべている梢の写真があった。

  124. コメント

    回想始め

  125. セラス

    あのね、花ちゃん。あのね。

  126. コメント

    何度も言葉に詰まる。涙があふれて止まらない。

  127. セラス

    わたし……なんて言えば、いいか。

  128. 花帆

    なんにも言わなくていいんだよ。
    ただ、笑って、せっちゃん。

  129. 花帆

    あたし、せっちゃんの笑顔を花咲かせたかった、だけだから!

  130. コメント

    涙を流したまま、にっこりと笑うセラス。

  131. セラス

    ……うん!

  132. コメント

    回想終了。

  133. コメント

    それは花帆にとって自己実現を果たした瞬間の、輝かしい記憶。

  134. コメント

    だが、誰かの夢を叶えた瞬間にも、誰かの夢を潰してしまったのだと突きつけられてしまって、もう前にも後ろにも進めなくなってしまう花帆。

  135. 花帆

    あたしは……。

  136. 花帆

    あたしはそれでも、みんなの、笑顔を…………っ!

  137. コメント

    ぐっとこらえて、涙を飲み込もうとする花帆。このまま立ち止まるわけにはいかない。だってもうイベントは走り出しているのだ。どんなに間違っているとしても、進むしかない。

  138. 吟子

    花帆先輩!

  139. コメント

    そこで、吟子の声がする。

  140. コメント

    振り返る、花帆。

  141. 花帆

    ……えっ?

  142. 吟子

    ライブTシャツの打ち合わせ、帰ってからするって言ってたのに、
    電話もぜんぜん出ないで……。 ……って。

  143. コメント

    すぐに様子がおかしいことに気づいて、眉根を寄せる吟子。

  144. 吟子

    花帆先輩……?

  145. 花帆

    あっ、えっと、これは!

  146. 花帆

    そ、そうだよね! ごめんね! 今、行くね!

  147. コメント

    不安げに問いかける吟子。

  148. 吟子

    ……なにがあったの?

  149. 花帆

    別に、大したことじゃ。

  150. 吟子

    花帆先輩。

  151. コメント

    ここで覚悟を決めたように花帆に近づく吟子。つかつかとやってきて、花帆の手首を掴む吟子。

  152. 吟子

    なにが、あったの?

  153. コメント

    真剣に問いかけるように。

  154. 花帆

    吟子ちゃん……っ。

  155. コメント

    吟子に顔を覗き込まれて、つい涙腺が緩んでしまう花帆。その目が潤む。涙がこみ上げてくる。

  156. コメント

    それとともに、せき止めていたものがあふれ出てくる。

  157. 花帆

    あたし、みんなの夢を叶えるんだって、そう思ってたのに……!

  158. 花帆

    『繋がる力』は、あたしたちの夢を叶えるためだけのもので……!
    だからあたしを、許さないって……それで……!

  159. 花帆

    梢センパイを優勝させたかった気持ちも、
    せっちゃんをステージに上げたかった気持ちも……!

  160. 花帆

    みんなの笑顔を花咲かせたい気持ちだって、
    嘘じゃないのに!

  161. 花帆

    あたし、あたし……!

  162. 花帆

    うわぁぁぁ……!

  163. コメント

    吟子に肩を抱かれながら、泣きじゃくる花帆であった。