第12話『ずっと花咲く僕らの桜』
PART 6
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一方その頃、授業を終えた二年生たち。
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姫芽が席についていて、隣に小鈴と吟子が立っている。
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そこにやってきた泉。
- 泉
やあ、揃っているね。
- 吟子
泉が、放課後待っててほしいって言うから。
- 泉
ああ。 ちょっと3人と話したいことがあってね。
- 小鈴
話したいことって?
- 泉
次期部長の件だ。
- 姫芽
あ~……そういえば今まで何度か話に出てたけど、
Bloom Garden Partyがあるからって、ずっと後回しにしてたねぇ~。 - 泉
先輩たちが卒業した後に改めて話してもいいんだが……
一度、コンセンサスは取っておきたくてね。 - 小鈴
先輩たちが卒業したら、小四辺形の誰かが部長になるんだもんね。
- 小鈴
先輩たちが、卒業したら……。
- 姫芽
……こらこら、しんみりしない~。
- 小鈴
ご、ごめんね。
- 吟子
次期部長、ね。
去年みたいにするんだったら、一応は先輩からの推薦、って形になるのかな。 - 泉
そこでだ。
- セラス
話は聞かせてもらいました!
- セラス
実はここに、3枚の推薦書があります。
- 小鈴
推薦書……!?
- セラス
はい。 あらかじめわたしと泉で、三年生の先輩方とお話をして、
次期部長に誰を推薦するか、書いてもらったのです。 - 吟子
い、いつの間に……!?
- 姫芽
いずみんも~?
- 泉
私は、もとから部長になるつもりはなかったからね。
辞退させてもらうついでに、お話を聞いてきたのさ。 - 小鈴
ふぇ? そうなの?
- 姫芽
蓮ノ空では一年後輩だから~、とかは気にしなくていいんじゃない~?
- 泉
それはもちろんあるけれど、どちらかというとこれは私の勝手な都合かな。
- 泉
来年、私はソロで活動する。
自身の心と向き合って、スクールアイドルに心血を注ぐつもりだ。
だから、部長としてみんなをまとめるのは、少し荷が重くてね。 - 小鈴
なるほど……!
そういうことなら、徒町はもちろん応援するよ! - 姫芽
どちらかというと、いずみんのそれは、覚悟って感じだね~。
- 泉
そうだね。
自分への言い訳は、なるべく断ち切っておこうと思ってさ。 - 吟子
泉はわかったけど、なんでセラスがメッセンジャーに……?
- セラス
なに言ってるんですか、吟子先輩。
- セラス
来年の部長ですよ? 部長と言えばスクールアイドルクラブの代表。
つまり、もっとも後輩から慕われている人格者……。 - 小鈴
うん……うん?
- セラス
唯一の後輩であるこのセラス 柳田 リリエンフェルトが
いちばんの決定権を有すると言っても過言ではない! ということですよ! - セラス
ほらほら! 部長になりたくば、わたしのご機嫌を取ってください!
わたしを存分に甘やかしてください! さあ! - 吟子
先輩方からの推薦状をまず見よっか。
- 姫芽
そだね。
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推薦状を奪われるセラス。
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三人がその推薦状を覗き込んで、声を上げる。
- セラス
ああっ。
- 小鈴
さやか先輩、花帆先輩、瑠璃乃先輩からの、推薦は……なんと……!
- 姫芽
小鈴さん! 吟子ちゃん! 姫芽!
- 吟子
ぜんぶユニットの後輩! 親バカなん!?
- 泉
まあ、触れ合う時間が長いということは、
それだけ良い面を知っているということだからね。 - 泉
今いるメンバーで話し合って決めてもらいたいようだったよ。
- 泉
ちなみに、部長はひとりに限らなくてもいい、とは言っていたね。
ふたりでも、あるいは3人でも。 - 姫芽
トリプル部長はさすがに、今となんも変わらないっていうか~。
- 泉
正直私は、
あなたたちのうち誰が部長になったとしても、異存はないかな。 - セラス
……つまり、わたしでも……!?
- 泉
そんなわけないだろう。
- セラス
がーん。
- 泉
どうせあなたは、待っててもそのうち部長になるんだから……。
転校生でもやってこない限りは。 - 小鈴
……泉ちゃんは、部長になるつもりがない、んだよね?
- 泉
ああ、さっき言った通りだ。
- 小鈴
だったら徒町も、推薦したいひとがいて、さ。
- 泉
ほう?
- 小鈴
姫芽ちゃん!
- 姫芽
おおっ?
- 小鈴
と、吟子ちゃん!
- 吟子
私も?
- 小鈴
うん。
やっぱりふたりとも出会った頃からすごく成長してるなって思ったし、 - 小鈴
姫芽ちゃんも吟子ちゃんも、
自分で開いたイベントを大成功させたでしょ? - 小鈴
あれを見たときから、なんとなくね、
ふたりが部長になってくれたらいいなって、徒町は思ってたんだ。 - 吟子
イベントを成功させたのは、小鈴もだと思うけど……。
- 姫芽
……でもね、小鈴ちゃん。
それを言うなら、アタシにも考えがあるよ~? - 姫芽
実はアタシも、
この子が部長になってくれたらいいな~って、思ってる子がいてさ。 - 小鈴
え、誰々!?
- 姫芽
ん~。
- 姫芽
でもまあ、プレッシャーになるといけないからね。
自分から『やりたい』って言ってくれるのを待ってる、みたいな~? - 泉
……なるほどね。
- 泉
さて、それじゃあ吟子さんは?
- 小鈴
吟子ちゃん?
- 吟子
……ごめん。
私、やっぱり今はちょっと、考えてる余裕ないかも。 - 吟子
Bloom Garden Partyが目前で、
オープニングライブの準備をしたり、アルバムツリーを作るのも楽しいけど。 - 吟子
……部長を決めるってことは、時を未来に進めるってことだから。
- 小鈴
あ……。
- 泉
……確かに、そうだったかもしれない。
先人たちに託されたものを抱きしめて、来年へと繋ぐ。 - 泉
それは言わば、別離のその先の話だ。
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小鈴、暗い顔をする。
- 小鈴
……。
- 姫芽
ん、そっか……。
- 姫芽
今は、三年生の先輩たちとのかけがえのない今を、
悔いなく楽しまなくちゃって、思っちゃうのは仕方ないよね~……。 - 泉
じゃあ、この話はまた今度にしておこうか。
- 小鈴
……ね! これからさやか先輩と一緒に、
ごはんの準備をするんだけど、よかったらみんなも一緒にどうかな? - 吟子
あ、そうなんだ?
- 姫芽
11人分~?
大変だね~。手伝おうよ~。 - コメント
歩いていく小三角。
- コメント
泉が残って、セラスに告げる。
- 泉
私たちもお邪魔させてもらおうか、
セラス。 - セラス
……うん。
- 泉
みんなに発破をかけるつもりだったんだけど、
あまりうまくいかなかったかな。 - セラス
……うん。 でも、仕方ないよ。
先輩方にとっては、それだけ大事なことなんだから。 - 泉
……さて、このメンバーから、
誰か立候補する人は出てきてくれるのかな。 - セラス
……大丈夫だよ!
もし誰もいなかったそのときは、わたしがやるから! - コメント
泉がセラスの頭をぽんと撫でる。
- 泉
その気持ちは、ありがたく受け取っておくよ、
- コメント
セラス、大きくうなずいて微笑むのだった。
- セラス
ん!