第12話『期待はおもい!』
PART 1
さやか | お、お願いしまーす! はっ、蓮ノ空女学院! 竜胆祭を! よろしくお願いしまーす! |
花帆 | さやかちゃんさやかちゃん、あたしたちのことも! |
瑠璃乃 | そーそー! さやかちゃんのホントの気持ちは、ソレのはずだ! |
さやか | じゃあおふたりも言ってくださいよ!! |
瑠璃乃&花帆 | だってリーダーはさやかちゃんだし。 |
さやか | うぅうう……! わかりました……! |
さやか | 竜胆祭を宜しくお願いしまぁす! |
さやか | わたしたち蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブも! 絶対、絶対にライブをしますから!! |
さやか | 絶対、絶対にライブしますからぁ~!!! |
花帆 | そうだそうだ言ったれさやかちゃん! |
瑠璃乃 | ルリたちのライブ、中止になんてさせないもんねー! |
さやか | あーもう、どうしてこんなことにー!! |
梢 | ーー来週はついに、三大文化祭のひとつ……竜胆祭よ。 |
瑠璃乃 | な、なんてものものしいふいんきだ……。 |
慈 | 雰囲気、ね。 るりちゃん。 |
綴理 | 「ふん」と「いき」って両方口から出てる音っぽいよね。 |
さやか | 今、真面目なところですよ。 綴理先輩。 |
梢 | ……はぁ。 なんというか、いつも通りね。 もっとみんな、気を張っているものかと思ったけれど。 |
花帆 | 梢センパイ、竜胆祭って何か特別なことがあるんですか? |
梢 | そう、ね。 説明すると難しいのだけれどーー。 |
慈 | まー、私が怪我したのが去年の竜胆祭だからねー。 |
花帆&さやか&瑠璃乃 | !! |
慈 | ふふっ、そんな顔しなくてもだいじょーぶ! 一年生諸君もだけど……梢もね? |
梢 | ……慈。 |
梢 | そうね、昔は昔。 今は今。 去年の私たちじゃない。 そうでしょう、綴理? |
綴理 | ん。 色々ありすぎた。 めぐ居なくなってから。 |
梢 | そう、ね! |
梢 | ともかく! 私たちにとって、今回の竜胆祭はリベンジでもあるけれどーー 加えて、大事なことがあるわ! |
瑠璃乃 | おおー! それはいったーい!? |
梢 | きたるラブライブ!地区予選! 年に一度の晴れ舞台へとエントリーするため、竜胆祭でのライブを使うのよ! |
花帆 | ラブ……! |
さやか | ライブ……! |
瑠璃乃 | ……! ……? ……めぐちゃんが言ってたやつ? |
慈 | 全員言ってるやつかな! |
慈 | とびっきりの、スクールアイドルの祭典! |
さやか | ついに、そんなところまで来たんですね……。 |
花帆 | あたしたちも……ラブライブ!に……! |
綴理 | すごい……。 |
梢 | なんで貴女まで一年生に混ざって、リアクションしてるのよ……。 |
瑠璃乃 | でも、梢先輩。 竜胆祭のライブを使うって、 いったいぜんたいどういうオハナシ? です? |
梢 | そうね。 もう少し詳しく説明しましょうか。 |
さやか | そうですね。 お願いします。 |
梢 | ええ。 まず1番大きな前提として、 ラブライブ!は地区予選、地方予選、全国大会の3段階。 |
梢 | 私たちが今から挑む地区予選は、 動画で応募することになるの。 |
さやか | 動画……ですか。 ああ、なるほど、それで。 |
梢 | そう。 スクールアイドルの数はとても多いし、会場だって限りがある。 だから、オンライン応募なの。 |
綴理 | そうだね。 ラブライブ!はスクールアイドルがたくさんだからね。 |
慈 | 綴理の言い方だと、ただ楽しいだけのお祭りみたいに聞こえるけど、 そんなに甘くないからね! |
慈 | 言いたくないけど、去年の私は突破できてませんからね! |
瑠璃乃 | 怪我したからでしょー! |
慈 | まあね。 もちろん私は常に私を信じてるけど。 |
慈 | でも、怪我がなかったら絶対突破出来てたって胸張って言えるほど、 地区予選は簡単じゃないのもホントだよ。 |
瑠璃乃 | むぐ。 そこまで言うのか……。 |
梢 | 慈の言う通り地区予選は甘くないし、正直な話、 |
梢 | どこか1つのユニットが突破すれば、 蓮ノ空は北陸大会には進めるのだけれど……でも、 |
梢 | 私たちは全ユニットで、予選を突破したい。 去年出来なかったことを果たしたいの。 |
さやか | ……となると、北陸大会以降はどうなるんですか? |
慈 | そんときはそんときだよ!! |
さやか | えっ……? |
梢 | とにかく。 私たちは何が何でも、予選を突破したい。 だからこその、竜胆祭なのよ! |
花帆 | ……そっか! 撫子祭のライブが、すっっっごく楽しかったみたいに! |
梢 | そう! 竜胆祭という大舞台に臨むこの熱を最大限に活かしたライブをして、 その想いを予選に叩きつけたい。 |
梢 | そういうことよ。 |
瑠璃乃 | おおー! じゃあ、文化祭使えるルリたちめっちゃ有利じゃん! 竜胆祭に遊びに来た人たちみんな会場に連れてくる!? |
花帆 | それ良いね! よーし、一緒に全力で集めようね! |
瑠璃乃 | うん! ……うん? あれ? そんなことしたらルリ、きっとライブじゃ使い物にならなくなってるな! |
瑠璃乃 | でも言い出しっぺだから責任取る! |
花帆 | 無理はしなくていいからね!? |
瑠璃乃 | 大丈夫、ステージにダンボール置いといてね、めぐちゃん! |
慈 | 甘くないって言ったばっかだよね? 私、藤島 慈feat.ダンボールでライブするつもりないからね? |
綴理 | 賑やか。 |
さやか | あ、あはは……。 |
梢 | そこ、寛がない! みんな注目! |
梢 | 瑠璃乃さんに限らず、竜胆祭に向けて体力はきちんと管理すること! 今日からしっかり練習して、完璧なライブをするために! |
梢 | ん、大丈夫そうね。 |
梢 | 全ユニットでの予選突破……最高の竜胆祭ライブ。 必ず、成功させましょう。 |
梢 | そろそろ寒い時期になってくるから、体調管理には気を付けること! |
花帆&さやか&綴理&瑠璃乃&慈 | おー! |
梢 | 絶対に風邪なんて引いたらダメよ! |
花帆&さやか&綴理&瑠璃乃&慈 | おー! |
梢 | 本当にごめんなさい。 |
花帆 | だっ……大丈夫ですから! |
慈 | まったく……。 梢が1番はりきりすぎだったってことだね。 私たちに隠れてひたすら練習でもしてたの? |
梢 | くっ……申し開きの言葉もないわ……。 でも、練習はいつも通りよ? |
綴理 | 練習“は”。 |
梢 | ……竜胆祭関係で部長業務が増えました。 あと、曲作りと振り付け変更もしたくなって……。 |
瑠璃乃 | よ、よくわかんないけどなんかめちゃめちゃ仕事多そう……。 |
慈 | つまり練習量は変えないまま、やる事だけは増やした、と。 そりゃこうもなるか。 |
慈 | 私たちも、部長業務っていうのがどのくらい大変なのか知らないから、 気づけなかったけどさあ。 |
綴理 | ん、何度? |
さやか | 39度ですね……。 |
梢 | 40度超えてないのね。 なら、セーフだわ。 |
花帆 | アウトですって! |
花帆 | あの、みんなも出ててください! うつっちゃったら大変ですから! |
梢 | くっ……確かに、みんなにうつすわけには……。 |
花帆 | そうですよ、だからほんと、ゆっくり休んでください! あたし、色々看病とかしますから! できますから! |
梢 | じ……。 |
花帆 | じ? |
梢 | 自分が許せない~~!!! |
梢 | あっ。 |
花帆 | 梢センパーイ!! |