第4話『昔もいまも、同じ空の下』

PART 3

70 セリフ10 人物
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    前のシーンから数日後。吟子が祖母に連絡を取り、次の休みに全員で吟子の実家に押し掛ける、という流れ。メンバー全員私服。

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    場所のイメージは竪町。金沢駅前からバスに乗って向かった。

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    SE、バスから下車する一同。

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    SE、ワイワイガヤガヤという喧噪。

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    メンバーを先導しつつ、告げる吟子。

  6. 吟子

    ここまでくれば、もう、あと少しです。

  7. でもいいのかしら。
    こんなに大人数で押しかけてしまって。

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    9人というメンバーを見回す梢。

  9. 吟子

    祖母に聞いたら、ぜひみんなで遊びに来てくださいって言ってましたので!

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    周りを見回しながら、楽しそうな花帆。

  11. 花帆

    へ~。 このあたりが吟子ちゃんの地元なんだね~。

  12. 吟子

    はい、そしてこちらがーー。

  13. 花帆

    ここが!

  14. 吟子

    到着しました! 『金沢くらしの博物館』です!

  15. ってなんでだー!

  16. 私たち、吟子ちゃんのおうちに向かってたんでしょ!?

  17. 吟子

    す、すみません、慈先輩。

  18. 吟子

    おばあちゃんとの約束の時間まで、まだ間がありますし、
    せっかくの機会なので、どうしても皆さんに見てほしいものがありまして!

  19. 見てほしいものぉ~……?

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    館内にお客さんはまばら。観光客が物珍しそうに、各教室に貼られた写真などを眺めている。

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    ただ、吟子は瞳を輝かせて、嬉しそうに全員を案内する。

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    吟子はめちゃめちゃ内弁慶気質があるので、地元に帰ってきたことで水を得た魚のようになっている。

  23. 吟子

    こちらでは、なんと……ご覧ください!

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    壁にかかっているのは、当時の写真。50年前ぐらいの芸楽部が商店街のステージにあがっている写真が飾ってある。写真を見上げる一同。

  25. これって……当時の、蓮ノ空芸楽部の写真?

  26. 吟子

    はい! ここは金沢の様々な民俗文化財や歴史が集められてるんですけど、
    その中には、芸楽部のコーナーもあるんです!

  27. 蓮ノ空からこんなに離れているのに。

  28. 吟子

    祖母から聞いたんですが、
    当時の商店街が地元を盛り上げるために、誘致をしてたみたいですね。

  29. 吟子

    だから、写真が多く残ってるんですよ。

  30. 吟子

    これから伝統の衣装を着ることになるので、
    こういったものに触れておくのも大事かなと思いまして……!

  31. 小鈴

    はっ、こっちの写真、
    Sparkly Spotの衣装にちょっと似てませんか!?

  32. 吟子

    あ……ほんとだ。

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    わくわくするさやか。

  34. さやか

    すごい、こんな昔から面影が……!

  35. 綴理

    たぶん、中身はちょっとずつ変わってるんだ。
    『逆さまの歌』のときみたいに。

  36. 瑠璃乃

    なんかおもしろそうかも!
    よーし、ひめっち! みらぱ!っぽいのさがそー!

  37. 姫芽

    らじゃ~!

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    なんとなくユニットごとに分かれて展示品を見て回る一同。花帆と梢が吟子と回る。

  39. 花帆

    すごいなあ……。 スクールアイドルって、
    こんなにずっと前から、たくさんの人たちを笑顔にしてたんだねえ。

  40. 花帆

    ね、ね、吟子ちゃんは、昔からここに来てたの?

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    (花帆と話しているときは特に)大人っぽく装おうとして、おばあちゃん→祖母と言い換える吟子。

  42. 吟子

    あ、うん。
    初めては、5歳ぐらいのときに、おばあちゃん……祖母と一緒に。

  43. 吟子

    それからは、ちょこちょこと。

  44. 花帆

    そっか~。 あたし、吟子ちゃんが芸楽部にこだわってた理由が、
    ちょっとわかった気がするなあ。

  45. 花帆

    だって、ここに飾られてる写真、みんな楽しそうだもん。

  46. コメント

    花帆の純度百パーセントの善人に向けるような屈託ない笑顔

  47. 花帆

    吟子ちゃんもこんな風に、スクールアイドルになって、
    みんなの笑顔を花咲かせたいって思ったんだね!

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    花帆の純度百パーセントの善人に向けるような屈託ない笑顔を浴びて、そんなに大したことを考えていたわけじゃないんだけど……と恥ずかしそうにそっぽを向いてうなずく吟子。

  49. 吟子

    ……う、うん。 まあ、それも、あるかな……ハイ。

  50. コメント

    梢は写真を眺めながら、うっとりとつぶやく。

  51. ……素敵ね。

  52. これは、スクールアイドルクラブができる前、
    もっと、もっと昔から、蓮ノ空に綿々と紡がれてきた歴史そのものだわ。

  53. コメント

    梢、傍らに立つ吟子に微笑みかける。

  54. ありがとう、吟子さん。 ここに連れてきてくれて。

  55. コメント

    恐縮してこくこくとうなずく吟子。

  56. 吟子

    あ、いえ……。
    ただ単に、私がスクールアイドルクラブの方々に見てほしかっただけなので。

  57. 吟子

    梢先輩にそんなに響くなんて、思ってませんでした。

  58. 音楽の歴史は、文化の歴史でしょう。
    クラシックやジャズをやるときに、たくさん勉強したから。

  59. 過去を学んで未来を作る。 その繰り返し。

  60. 蓮ノ空の音楽の歴史を知れるのは、
    大勢の先人の想いに触れることができるみたいで、純粋に嬉しいわ。

  61. それにね、自分たちはその先頭に立っているんだって、
    胸を張れるような気がしてくるのよ。

  62. コメント

    梢が言語化してくれた伝統へのリスペクトの言葉を聞いて、感動する吟子。

  63. 吟子

    梢先輩……。
    で、では、時間の許す限り、私が館内をご案内いたしますね!

  64. 花帆

    はーい! お願いします、吟子せんせい!

  65. 吟子

    ちょっと!

  66. それじゃあ、お願いするわね、吟子先生。

  67. コメント

    楽しそうに乗る梢にからかわれて、慌てる吟子だった。

  68. 吟子

    梢先輩まで!?

  69. コメント

    一同、ようやく吟子の家に到着。

  70. コメント

    古風な屋敷と、隣には工房とお店がある。

  71. コメント

    玄関の前に立ち並ぶ一同に、実家を紹介する吟子。

  72. 吟子

    長旅お疲れさまでした! こちらが、百生家です。

  73. 花帆

    隣にお店があるよ!

  74. さやか

    加賀繍を使った、様々なお土産が売っているみたいですね。

  75. 瑠璃乃

    えーすごい! あとで見ていこー!

  76. こらこら、遊びに来たわけじゃないんだぞー。

  77. 綴理

    違うの?

  78. 吟子祖母

    いいええ。 遊びに来たつもりで、ゆっくりしていきまっし。

  79. 吟子

    あ、おばあちゃん!

  80. コメント

    丁寧に頭を下げる吟子祖母。

  81. 吟子祖母

    おかえり、吟子。 それに、スクールアイドルクラブの皆さん。
    よくいらっしゃいました。

  82. コメント

    一同も頭を下げる。

  83. 小鈴

    こんにちは! 徒町です!

  84. 姫芽

    お世話になります~。

  85. 吟子

    今の時間は、ワークショップのお手伝いやなかったん?

  86. 吟子祖母

    ええ、もうじき出るところや。 先にぃ、衣装だけ受け取っとくわ。

  87. コメント

    そこでひとりだけ怪訝そうな顔をしていた梢。

  88. もし、かして……。 先生ですか?

  89. 吟子

    えっ?

  90. 吟子祖母

    あら……? 梢さん?
    まあ、ずいぶんと大きくなって。

  91. その節は、ご無沙汰しております。
    そう、吟子さんのおばあ様だったのね。

  92. 吟子

    梢先輩とおばあちゃん、知り合いだったんですか!?

  93. 昔ね、七五三のときに衣装を作ってもらったのよ。

  94. 吟子祖母

    懐かしいわ。 あの頃の梢さん、こんなに小さかってんよ。

  95. 小鈴

    梢先輩が、小さく……!?

  96. 花帆

    ええー、そのときのお話、聞きたいです!

  97. 吟子祖母

    そうやね。 夜にでもゆっくり。
    ま、とりあえず、入りまっし。